知能検査は、ウェクスラー式知能検査、田中ビネー式知能検査、KABC-Ⅱの3つが重要です。
「田中ビネー式知能検査」はビネー(A.Binet)
「KABC-Ⅱ」はカウフマン夫妻(A.S.Kaufman&N.L.Kaufman)
というように、人名が入っているモノが多いですね。
上記3つは「知能」検査としてしっかり押さえておきましょう。
さらに知能検査の中でも、認知症の検査であるHDS-RとMMSEの2つもしっかり覚えておきましょう。
ここでは最後に、人名の入っていない「コース立方体組み合わせテスト」という知能検査を見ていきましょう。
コース立方体組み合わせテスト
この検査は立方体を用いて17問の模様を作ることで知能を検査します。
提示された見本を見て立方体(赤、白、青、黄の4色の積木)を組み合わせ、指定された図柄を作ります。
この検査の最大の特徴は「非言語性」の検査であるということ。
つまり、立方体で模様を作るだけなので言葉を発する必要がなく、聴覚障害や発語に障害がある人、高齢者や外国人にも適用可能であり、リハビリテーションの現場では全国的に利用されている検査です。
過去問
第2回 問23
日本語を母語としない成人の知能検査として、最も適切なものを1つ選べ。
ただし、検査内容の説明程度は日本語で理解できるものとする。
① PARS-TR
② WISC-Ⅳ
③ ベンダー・ゲシュタルト検査
④ ウィスコンシンカード分類検査
⑤ コース立方体組み合わせテスト
知能検査とくれば、ウェクスラー、田中ビネー、KABCの3つを思い浮かべてください。
ただし、日本語を母語としないということは、質問紙法ではダメですね。
① PARS-TR
間違いです。PARS-TR(親面接式自閉スペクトラム症評定尺度)は自閉スペクトラム症の検査です。
② WISC-Ⅳ
間違いです。WISC-Ⅳは、ウェクスラー式知能検査(児童版)です。
③ ベンダー・ゲシュタルト検査
間違いです。ベンダー・ゲシュタルト検査は、幾何学図形を模写することによって、ゲシュタルト機能の成熟程度およびその障害、心理的障害、器質的な脳障害、パーソナリティ傾向、知能的側面などの多方面にわたる情報を検査します。
④ ウィスコンシンカード分類検査
間違いです。ウィスコンシンカード分類検査は、前頭葉障害の影響が現れやすい遂行機能を評価する検査です。
⑤ コース立方体組み合わせテスト
これが正解です。コース立方体組み合わせテストは非言語性の知能検査なので、日本語を母語としない人にも適用できます。
次の記事
次は、知能検査のフリン効果について。
コメント