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【神経・生理心理学】大脳、脳幹(間脳、中脳、橋、延髄)

脳 人体&疾患
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大脳

脳

前頭葉

第一次運動野
運動前野
前頭眼野
連合野(前頭前野、眼窩野、ブローカー野)

前頭葉の左側にあるブローカー野が損傷すると、ブローカー(運動性)失語になります。
これは、言葉は理解できるけど、うまく言葉が出てこない失語症です。

側頭葉

味覚野
第一次聴覚野
第二次聴覚野(ウェルニッケ野)
側頭連合野

側頭葉は耳に近いから聴覚野がありますね。ウェルニッケ野が損傷するとウェルニッケ(感覚性)失語になります。これは言葉を理解できない失語症です。

頭頂葉

第一次体性感覚野
第二次体性感覚野
頭頂連合野

頭頂葉は体性感覚を担います。

後頭葉

第一次視覚野
第二次視覚野
第三次視覚野

後頭葉は視覚を担います。首の後ろの頭との付け根辺りを揉むと目が気持ちいです。後頭葉と目がつながっている証拠です。

脳幹

脳幹は以下の図のように、間脳、中脳、橋、延髄などがあり、間脳にある視床下部と下垂体はホルモンの分泌を司っています。

脳幹

視床下部で産生された視床下部ホルモンは、下垂体門脈という血管を通って下垂体前葉に移動します。

視床下部ホルモンを受けた下垂体前葉は、下垂体前葉ホルモンを分泌し、それが様々なホルモンの分泌へと繋がります。

例えば、ストレスを受けると、視床下部から「副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン」が産生され、これを受けた下垂体前葉では「副腎皮質刺激ホルモン」が産生され、このホルモンが副腎皮質を刺激することで「コルチゾール」が分泌されます。

コルチゾールは別名ストレスホルモンとも呼ばれ、血圧上昇、心拍数増加、血糖上昇(糖新生)、脂質分解促進などの働きがあります。

このようなストレス反応は「汎適応症候群」といいましたね。

過去問

第1回 問11 

大脳皮質の機能局在について、正しいものを1つ選べ。
① Broca野は頭頂葉にある。
② 一次視覚野は側頭葉にある。
③ 一次運動野は後頭葉の中心前回にある。
④ Wernicke野は側頭葉と前頭葉にまたがる。
⑤ 一次体性感覚野は頭頂葉の中心後回にある。

① Broca野は頭頂葉にある。
間違いです。ブローカー野は前頭葉にあります。

② 一次視覚野は側頭葉にある。
間違いです。一次視覚野は後頭葉にあります。

③ 一次運動野は後頭葉の中心前回にある。
間違いです。一次運動野は前頭葉にあります。

Wernicke野は側頭葉と前頭葉にまたがる。
間違いです。ウェルニッケ野は側頭葉にあります。

⑤ 一次体性感覚野は頭頂葉の中心後回にある。
これが正解です。

第1回(追試)問128

大脳の生理学的機能について、正しいものを2つ選べ。
① Broca 野は発語に関わる。
② 側頭葉は温痛覚と触覚に関わる。
③ 頭頂連合野は主に物の判別と記憶に関わる。
④ 劣位半球の障害によって失読と失書が起こる。
⑤ 前頭連合野は主に思考、意欲及び情動に関わる。

① Broca 野は発語に関わる。
正しいです。

② 側頭葉は温痛覚と触覚に関わる。
誤りです。側頭葉は「聴覚」や「言語の処理」を行います。

③ 頭頂連合野は主に物の判別と記憶に関わる。
誤りです。記憶に関わるのは側頭葉内側部(海馬)、間脳(視床)、前脳基底核などです。

④ 劣位半球の障害によって失読と失書が起こる。
誤りです。劣位半球ではなく優位半球です。
一般的に言語中枢がある方を優位半球、もう一方を劣位半球と呼びます。

⑤ 前頭連合野は主に思考、意欲及び情動に関わる。
正しいです。

第1回 問87

中枢神経系のうち、意識水準の維持に必須の領域として、正しいものを1つ選べ。
① 小脳
② 前頭葉
③ 大脳基底核
④ 大脳辺縁系
⑤ 脳幹網様体

選択肢⑤が正解です。
脳幹網様体は脳幹にある神経細胞体と神経線維が入り交じって網目状をなす構造です。
大脳皮質への刺激の通路となり、意識の水準を保つ働きをし、睡眠に関係しています。

第1回 問88

視床下部の機能として、正しいものを1つ選べ。
① 運動協調の調節
② 摂食行動の調節
③ 対光反射の中枢
④ 体性感覚の中継
⑤ 短期記憶の形成

① 運動協調の調節
これは小脳の機能です。

② 摂食行動の調節
正しいです

③ 対光反射の中枢
これは中脳の機能です。

④ 体性感覚の中継
これは視床の機能です。

⑤ 短期記憶の形成
これは海馬の機能です。

第1回(追試)問127

間脳の解剖と機能について、正しいものを2つ選べ。
① 間脳は中脳と小脳の間にある。
② 視床は卵型の白質の塊である。
③ 外側膝状体は聴覚の中継に関わる。
④ 下垂体は視床下部の支配を受ける。
⑤ 視床は温痛覚や深部感覚の中継に関わる。

① 間脳は中脳と小脳の間にある。
誤りです。間脳は大脳と中脳の間にあります。

② 視床は卵型の白質の塊である。
誤りです。視床は大きな卵大の灰白質で灰色に見えます。

③ 外側膝状体は聴覚の中継に関わる。
誤りです。「聴覚の中継に関わる」のは、内側膝状体です。
外側膝状体は、脳の視床領域の一部であり、中枢神経系の網膜から情報を受け取り、視覚情報の処理を行います。

④ 下垂体は視床下部の支配を受ける。
正しいです。

⑤ 視床は温痛覚や深部感覚の中継に関わる。
正しいです。
深部感覚は「自己受容感覚」とも呼ばれます。

第2回 問41

右利きの者が右中大脳動脈領域の脳梗塞を起こした場合に、通常はみられないものを1つ選べ。
① 失語症
② 左片麻痺
③ 全般性注意障害
④ 左半身感覚障害
⑤ 左半側空間無視

選択肢①が正解です。
右利き者の9割以上で、ブローカー野もウェルニッケ野も左脳にありますので、右中大脳動脈領域の脳梗塞ではブローカー失語(運動性失語)もウェルニッケ失語(感覚性失語)も起こりません。

第3回 問103

大脳皮質運動関連領域の構造と機能について、正しいもの1をつ選べ。
① 運動前野は、運動に対する欲求に関わる。
② 補足運動野は、運動の準備や計画に関わる。
③ 一次運動野は、体幹や四肢の平衡の維持に関わる。
④ 一次運動野は、Brodmann の6野に位置している。
⑤ 一次運動野が障害されると、同側の対応する筋に麻痺が生じる。

① 運動前野は、運動に対する欲求に関わる。
誤りです。運動前野は視覚による運動プログラムの発現に関わります。

② 補足運動野は、運動の準備や計画に関わる。
正しいです。

③ 一次運動野は、体幹や四肢の平衡の維持に関わる。
誤りです。一次運動野は運動の指令に関わります。

④ 一次運動野は、Brodmann の6野に位置している。
一次運動野はブロードマン4野に相当します。

⑤ 一次運動野が障害されると、同側の対応する筋に麻痺が生じる。
誤りです。一次運動野の障害では反対側に麻痺を生じます。

第2回 問83

視床下部−下垂体系の解剖と生理について、正しいものを1つ選べ。
① 視床下部のニューロンの一部は下垂体前葉に軸索を送る。
② 視床下部は下垂体後葉ホルモンの分泌を制御するホルモンを産生する。
③ 視床下部で産生されたホルモンは下垂体門脈によって下垂体に運搬される。
④ 視床下部から分泌されるソマトスタチンは下垂体からの成長ホルモンの分泌を促進する。
⑤ 血液中の副腎皮質刺激ホルモンの濃度が上昇すると、視床下部に対する負のフィードバックが低下する。

① 視床下部のニューロンの一部は下垂体前葉に軸索を送る。
誤りです。下垂体前葉ではなく下垂体後葉です。
下垂体前葉は血管によって視床下部と結ばれており、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、性腺刺激ホルモンなどが分泌されます。
下垂体後葉は視床下部にある神経細胞から伸びる軸索で構成されており、バソプレシン(抗利尿ホルモン)やオキシトシンなどが分泌されます。

② 視床下部は下垂体後葉ホルモンの分泌を制御するホルモンを産生する。
誤りです。
視床下部ホルモンは下垂体前葉ホルモンの分泌を制御します。
下垂体後葉は視床下部からの神経信号によって制御されています。

③ 視床下部で産生されたホルモンは下垂体門脈によって下垂体に運搬される。
正しいです。

④ 視床下部から分泌されるソマトスタチンは下垂体からの成長ホルモンの分泌を促進する。
誤りです。視床下部から分泌されるホルモンには、下垂体前葉のホルモン分泌を促す放出ホルモンと、ホルモン分泌を抑制する放出抑制ホルモンがあり、ソマトスタチンは抑制するホルモンです。

⑤ 血液中の副腎皮質刺激ホルモンの濃度が上昇すると、視床下部に対する負のフィードバックが低下する。
誤りです。副腎皮質刺激ホルモンの分泌が促進されると副腎皮質はコルチゾールの分泌量を促進することで、副腎皮質刺激ホルモン産生を抑制するといった負のフィードバックが発生します。

次の記事

次は、神経系、免疫系、内分泌系について。

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