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【神経・生理心理学】神経系、免疫系、内分泌系

免疫担当細胞 人体&疾患
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人間の心理的過程は、主に知覚・認知・感情・行動で示されるものです。

知覚は「目で見る」「耳で聞く」というように五感に関するものですが、知覚した出来事は最終的には脳に伝えられます。

そして、知覚された出来事に対する判断・評価が認知であり、その認知が自分にとって都合が良いと判断されればポジティブな感情が生まれ、都合が悪いと判断されればネガティブな感情が生まれることになりますが、感情は神経伝達物質の分泌によってコントロールされていることが多いものです。

最終的に何らかの行動を起こす場合に全て脳からの指令が神経を通じて身体各部位に伝わることで「行動」として成立します。

このように、知覚・認知・感情・行動の背景には、脳・神経が関わっていることが多いので、生理心理学の知見は様々な分野に強い影響力を持っているといえます。

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ホメオスタシス

人間の体にはホメオスタシスという恒常性が備わっています。

怪我をすれば自然に治り、ウイルスが侵入すれば発熱して免疫力を高めてウイルスを殺します。
このように、人間の体は自然に「元に戻ろう」とするチカラが働き、これをホメオスタシスと呼んでいます。

ホメオスタシスを保つ働きは、神経系、内分泌系、免疫系の3系統の働きによって保たれています。

ホメオスタシス

神経伝達物質

神経伝達物質は「興奮性神経伝達物質」と「抑制性神経伝達物質」に分けられます。

興奮性神経伝達物質
・ドーパミン
・アドレナリン
・グルタミン酸
・アセチルコリン
抑制性神経伝達物質
・セロトニン
・グリシン
・GABA

下図にあるように、脳の神経細胞であるニューロン同士を結ぶのが、神経伝達物質です。

ニューロンの中は活動電位と呼ばれる電気信号で情報が伝わり、ニューロン同士の情報伝達を担っているのが神経伝達物質です。

軸索により伝搬する活動電位は「全か無かの法則」で、閾値より上か下かだけで一定の電位になります。

軸索が有髄線維の場合は跳躍伝道の仕組みを持つため、電気信号は早く伝わります。

神経伝達物質

内分泌系

以下の5種類のホルモンを覚えておきましょう。

・アルドステロン:血圧を上げる
・メラトニン:睡眠を促す
・インスリン:血糖値を下げる
・プロラクチン:乳汁分泌を促す
・抗利尿ホルモン:血中のナトリウム濃度を下げる

免疫系

血液は以下のような構成になっており、白血球が免疫を司っています。

血液=赤血球+白血球+血小板+血漿

白血球は以下のような構成になっています。

白血球=単球+顆粒球+リンパ球

免疫担当細胞
好中球:食作用により細菌などを排除
樹状細胞:単球から分化、食作用だけでなく抗原提示も
マクロファージ:単球から分化、食作用だけでなく抗原提示も、炎症を引き起こす
T細胞:胸腺で分化・成熟
・ヘルパーT細胞:樹状細胞から抗原情報を受け取り,B細胞やマクロファージを活性化
・キラーT細胞:樹状細胞から抗原情報を受け取り感染細胞などを攻撃して排除
B細胞:骨髄やひ臓で分化・成熟、抗体を合成・放出
NK細胞:大型で殺傷能力が高い、ウイルスなどに感染した細胞や自己の腫瘍細胞を攻撃して排除

過去問

第2回 問83

視床下部−下垂体系の解剖と生理について、正しいものを1つ選べ。
① 視床下部のニューロンの一部は下垂体前葉に軸索を送る。
② 視床下部は下垂体後葉ホルモンの分泌を制御するホルモンを産生する。
③ 視床下部で産生されたホルモンは下垂体門脈によって下垂体に運搬される。
④ 視床下部から分泌されるソマトスタチンは下垂体からの成長ホルモンの分泌を促進する。
⑤ 血液中の副腎皮質刺激ホルモンの濃度が上昇すると、視床下部に対する負のフィードバックが低下する。

① 視床下部のニューロンの一部は下垂体前葉に軸索を送る。
誤りです。下垂体前葉ではなく下垂体後葉です。
下垂体前葉は血管によって視床下部と結ばれており、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、性腺刺激ホルモンなどが分泌されます。
下垂体後葉は視床下部にある神経細胞から伸びる軸索で構成されており、バソプレシン(抗利尿ホルモン)やオキシトシンなどが分泌されます。

② 視床下部は下垂体後葉ホルモンの分泌を制御するホルモンを産生する。
誤りです。
視床下部ホルモンは下垂体前葉ホルモンの分泌を制御します。
下垂体後葉は視床下部からの神経信号によって制御されています。

③ 視床下部で産生されたホルモンは下垂体門脈によって下垂体に運搬される。
正しいです。

④ 視床下部から分泌されるソマトスタチンは下垂体からの成長ホルモンの分泌を促進する。
誤りです。視床下部から分泌されるホルモンには、下垂体前葉のホルモン分泌を促す放出ホルモンと、ホルモン分泌を抑制する放出抑制ホルモンがあり、ソマトスタチンは抑制するホルモンです。

⑤ 血液中の副腎皮質刺激ホルモンの濃度が上昇すると、視床下部に対する負のフィードバックが低下する。
誤りです。副腎皮質刺激ホルモンの分泌が促進されると副腎皮質はコルチゾールの分泌量を促進することで、副腎皮質刺激ホルモン産生を抑制するといった負のフィードバックが発生します。

第2回 問12

神経細胞の生理について、正しいものを1つ選べ。
① グルタミン酸は抑制性神経伝達物質である。
② 活動電位は樹状突起を通して標的に送られる。
③ 無髄線維では有髄線維より活動電位の伝導速度が速い。
④ シナプス後細胞の興奮性シナプス後電位は「全か無かの法則」に従う。
⑤ 1つの神経細胞における個々の活動電位の大きさは刺激の強さにかかわらず一定である。

① グルタミン酸は抑制性神経伝達物質である。
間違いです。グルタミン酸は興奮性神経伝達物質です。

② 活動電位は樹状突起を通して標的に送られる。
間違いです。活動電位は、樹状突起ではなく軸索を通して標的に送られます。

③ 無髄線維では有髄線維より活動電位の伝導速度が速い。
間違いです。活動電位の伝導速度は、有髄線維の方が無髄繊維より速いです。

④ シナプス後細胞の興奮性シナプス後電位は「全か無かの法則」に従う。
間違いです。シナプス後細胞の興奮性シナプス後電位は、連続的に変化します。

⑤ 1つの神経細胞における個々の活動電位の大きさは刺激の強さにかかわらず一定である。
正しいです。これを「全か無かの法則」といいます。

第4回 問25

ホルモンの作用の説明として正しいものを1つ選べ。
① メラトニンは睡眠を促す。
② インスリンは血糖値を上げる。
③ 副腎皮質ホルモンは血圧を下げる。
④ プロラクチンは乳汁分泌を抑制する。
⑤ 抗利尿ホルモンは血中のナトリウム濃度を上げる。

① メラトニンは睡眠を促す。
正しいです。

② インスリンは血糖値を上げる。
誤りです。インスリンは血糖値を下げます。
甘いモノを食べると血糖値が急上昇し、膵臓のβ細胞からインスリンがたくさん分泌されます。

③ 副腎皮質ホルモンは血圧を下げる。
誤りです。副腎皮質から分泌される副腎皮質ホルモンは血圧を上げます。

④ プロラクチンは乳汁分泌を抑制する。
誤りです。下垂体前葉から分泌されるプロラクチンは乳汁分泌を促します。

⑤ 抗利尿ホルモンは血中のナトリウム濃度を上げる。
誤りです。視床下部で生産された抗利尿ホルモンは下垂体後葉から分泌され、血中のナトリウム濃度を下げます。

第1回 問25 

自律神経系について、正しいものを1つ選べ。
① 交感神経系の活動が亢進すると、気道が収縮する。
② 交感神経系の活動が亢進すると、血圧が上昇する。
③ 副交感神経系の活動が亢進すると、瞳孔が散大する。
④ 副交感神経系の活動が亢進すると、発汗が減少する。
⑤ ストレスが加わると、副交感神経系の活動が亢進する。

① 交感神経系の活動が亢進すると、気道が収縮する。
間違いです。
副交感神経は末端のシナプスからアセチルコリンを放出し気道が収縮します。
交感神経はノルアドレナリンを放出し気道が弛緩します。

② 交感神経系の活動が亢進すると、血圧が上昇する。
これが正解です。

③ 副交感神経系の活動が亢進すると、瞳孔が散大する。
間違いです。瞳孔が縮小します。

④ 副交感神経系の活動が亢進すると、発汗が減少する。
間違いです。発汗とは関係がありません。

⑤ ストレスが加わると、副交感神経系の活動が亢進する。
間違いです。ストレスが加わると副交感神経の活動が減少します。

第3回 問129

副交感神経系が優位な状態として、正しいものを2つ選べ。
① 血管拡張
② 血糖上昇
③ 瞳孔散大
④ 胃酸分泌の減少
⑤ 消化管運動の亢進

選択肢①と⑤が副交感神経優位で、それ以外は交感神経優位です。

第4回 問44

免疫担当細胞に含まれないものを1つ選べ。
① 単球
② 好中球
③ 赤血球
④ B 細胞
⑤ T 細胞

選択肢③が誤りです。
赤血球は免疫担当細胞ではありません。

次の記事

次は、睡眠について。

【睡眠】サーカディアンリズムって何?
サーカディアンリズムとは地球上の生物が生まれながらにして持っている生体リズムは体内時計と呼ばれ、その中でもおよそ24時間周期のリズムをサーカディアンリズム(概日リズム)と呼ばれます。「概日」リズムとはおおよそ24時...

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