強迫性障害とは
厚生労働省のページには以下のように書かれています。
強迫性障害では、自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れず、わかっていながら何度も同じ確認などを繰り返すなど、日常生活にも影響が出てきます。意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考えを強迫観念、ある行為をしないでいられないことを強迫行為といいます。たとえば、不潔に思い過剰に手を洗う、戸締りなどを何度も確認せずにはいられないなどがあります。
こころの病気であることに気づかない人も多いのですが、治療によって改善する病気です。「せずにはいられない」「考えずにはいられない」ことで、つらくなっていたり不便を感じたりするときには、専門機関に相談してみましょう。
症状
強迫性障害には強迫観念と強迫行為という症状があります。
強迫観念
繰り返される特徴的な思考、衝動、またはイメージで、それは障害中の一時期には侵入的で不適切なものとして体験されており、たいていの人においてそれは強い不安や苦痛の原因となる。
その人はその思考、衝動、またはイメージを無視したり抑え込もうとしたり、または何か他の思考や行動(例:強迫行為を行うなど)によって中和しようと試みる。
強迫行為
繰り返しの行動(例:手を洗う、順番に並べる、確認する)または心の中の行為(例:祈る、数える、声に出さずに言葉を繰り返す)であり、その人は強迫観念に対して、または厳密に適用しなくてはいけないある決まりに従ってそれらの行為を行うよう駆り立てられているように感じている。
その行動または心の中の行為は、不安または苦痛を避けるかまたは緩和すること、または何か恐ろしい出来事や状況を避けることを目的としている。しかしその行動または心の中の行為は、それによって中和したり予防したりしようとしていることとは現実的な意味ではつながりをもたず、または明らかに過剰である。
検査法
強迫尺度として以下の2つは覚えておきましょう。
治療法
強迫性障害に対して効果が高いとされているのは行動療法であり、その中でも治療技法として曝露反応妨害法が有効とされています。
治療薬としては選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)があります。
SSRIは抗うつ薬ですが、強迫性障害の治療にも用いられることを覚えておきましょう。
過去問
第1回(追試)問77
36歳の男性A、会社員。
3年ほど前から、外出する際に戸締りやガスの元栓を閉めたかが気になって何回も確認するようになった。そのため、最近は外出するのに非常に時間がかかる。また、車を運転しているときに人をひいたのではないかと気になって、頻繁に道路を確かめる。Aは、これらの行為が不合理なものと認識しており、行為をやめたいと思っているが、やめられない。
そのほかには思考や行動に明らかな異常はなく、就労を継続している。
Aに対する治療法として、適切なものを2つ選べ。
① 行動療法
② 自律訓練法
③ 非定型抗精神病薬
④ ベンゾジアゼピン系抗不安薬
⑤ 選択的セロトニン再取り込み阻害薬<SSRI>
選択肢①と⑤が正解です。
次の記事
次は、解離性障害です。
コメント