緊張病は、緊張しやすい性格などではありません。
緊張病とは
緊張病(カタトニア)は体の動きが止まってしまったり、言葉による指示を受けてもそれを拒絶してしまうといった症状の疾患/症候群です。
緊張病は、興奮・昏迷を基本として、カタレプシー(同じ姿勢を固持する)、反響言語(相手の言葉をオウム返しする)、反響動作(相手の動作を反復する)、常同症(同じ動作をつづける)、拒絶症(態度や行動で拒否を示す)、無言など、特徴的な症状を示す症候群です。
過去問
第2回 問30
緊張病に特徴的な症状として、正しいものを1つ選べ。
① 昏迷
② 途絶
③ 観念奔逸
④ 情動麻痺
⑤ カタプレキシー
① 昏迷
正しいです。昏迷は統合失調症の緊張病性昏迷、うつ病性昏迷、ヒステリー性昏迷(解離性障害など)、器質性精神病者の昏迷(甲状腺機能低下症、非定型のウイルス性髄膜炎など)などがあります。
② 途絶
誤りです。統合失調症の症状の1つで、話の流れの突然の停止です。
③ 観念奔逸
誤りです。躁病や飲酒酩酊時などの、思考の進みが早く思いつきは多いが、道から逸れやすいことを「観念奔逸」と呼びます。
④ 情動麻痺
誤りです。情動麻痺はショックで悲しみや喜びなどが表現不能になった状態です。
⑤ カタプレキシー
誤りです。受動的に取らされた姿勢を、そのまましばらくじっと保ち続ける状態をカタレプシーと呼びますが、カタプレキシーとは違います。
カタプレキシーとは、情動脱力発作のことで、笑ったり、怒ったり、緊張したり、と感情の動き(情動)が誘引となって、「膝の力が抜けて立っていられない」「握っている物を落とす」「口がもつれてしゃべにくい」などの脱力発作が数分続くことを指します。
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次は、代理ミュンヒハウゼン症候群です。
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