せん妄とは
せん妄は、時間や場所が急にわからなくなる見当識障害から始まる場合が多く、注意力や思考力が低下して様々な症状を引き起こします。
症状には、睡眠障害、幻覚・妄想、見当識障害、情動・気分の障害、神経症状があります。
リスク要因
せん妄のリスク因子としては、以下のようなものがあります。
・男性
・認知症
・感染症
・疼痛
・睡眠障害
・低酸素症
過去問
第1回 問33
せん妄の発祥のリスク因子でないものを1つ選べ。
① 女性
② 疼痛
③ 感染症
④ 睡眠障害
⑤ 低酸素症
選択肢①が正解です。
第4回 問29
せん妄について適切なものを1つ選べ。
① 小児では発症しない。
② 注意の障害を呈する。
③ 早期に症状が悪化することが多い。
④ 予防には補聴器の使用を控えた方が良い。
⑤ 予防には室内の照度を一定にし昼夜の差をできるだけ小さくすることが有効である。
① 小児では発症しない。
誤りです。小児では神経系が未発達のため大人よりむしろ多いです。
② 注意の障害を呈する。
正しいです。
③ 早期に症状が悪化することが多い。
誤りです。症状は一過性で悪化することは少ないです。
④ 予防には補聴器の使用を控えた方が良い。
誤りです。補聴器の使用を控える場合などの環境変化で起こりやすいです。
⑤ 予防には室内の照度を一定にし昼夜の差をできるだけ小さくすることが有効である。
誤りです。昼夜のリズムがなくなるなどの環境の変化で起こりやすいです。
第4回 問149
73歳の男性A、大学の非常勤講師。
指導していた学生に新型コロナウイルスの感染者が出たため、PCR 検査を受けたところ陽性と判定され、感染症病棟に入院した。
入院時は38°台の発熱以外の症状は認められなかった。
入院翌日に不眠を訴え睡眠薬が処方された。
入院三日目の夜になり突然、ぶつぶつ言いながら 廊下をうろうろ歩き回る、病棟からいきなり飛び出そうとする、などの異常行動が出現した。
翌日、明らかな身体所見がないことを確認した主治医から依頼を受けた公認心理師Bが病室を訪問し、Aに昨夜のことを尋ねると、”覚えていません”と活気のない表情で返事をした。
BのAへのアセスメントとして最も適切なものを1つ選べ。
① うつ病
② せん妄
③ 認知症
④ 脳出血
⑤ 統合失調症
選択肢②が正解です。
せん妄は様々な原因で、一時的に意識レベルの低下や注意の障害、認知機能の障害などが起き、ここでは、発熱、環境変化、不眠などにより一時的なせん妄となったものと考えられます。
次の記事
次は、心身症と心気症について。
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