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【心理検査】バウムテストは木を描くだけ

バウムテスト 心理検査
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バウムテストとは

バウムテストは、1945年にスイスの心理学者コッホ(K.Koch)が開発した投影法による心理検査です。

1本の実がなる木を書いてもらって、その木の全体像、葉や実や幹や枝、スペースや風景などからその人のパーソナリティを分析します。

バウムテストはもともと職業適性検査でした。

当時、産業カウンセラーをしていたコッホは、職業適性検査であったバウムテストをパーソナリティ検査へと開発しました。

バウムは樹木のこと、バウムクーヘン!

検査方法

バウムテストは木を描くだけなので、3歳頃から成人まで幅広く検査することができます。

A4の用紙1枚と鉛筆1本と消しゴムを用意し「実のなる木を一本描いてください。」と指示があります。

時間の制限はありません。

木を写生するのではなく、自分の心の中にある木を描きます。

結果の分析

バウムテストではまず、描かれた絵の全体的特徴を捉え、その際にはグルンウォルド(Grüwald)の空間象徴理論の考え方を参考に解釈していきます。

絵の解釈の例を挙げていきます。

木の位置や場所

木を見上げた状態の視点なら謙虚、見下ろした状態の視点なら自信過剰です。

大きな木なら積極的、小さい木なら引っ込み思案です。

木の位置が紙の真ん中なら情緒が安定、右側なら自己肯定が強い、左側なら内向的です。

木の状態

左右対称なら抑うつ的、左右非対称なら気分が不安定、木が2本なら自身の過去を苦々しく思っている、木が3本以上なら自分の価値観が揺らぎ選べない状態、木が描かれていないと秘密主義、右から風が吹いているなら社会的にがんじがらめ、左から風が吹いているなら無理にやらされている等。

幹の状態

幹がまっすぐなら頑固で意地っ張りで負けず嫌い、幹が右曲がりならお人よし、幹が左曲がりなら引っ込み思案、幹が細いと疲れている、幹が太いと元気など。

さらに幼児は一線幹、6歳頃になると二線幹になるので、発達の指標にもなります。

一線幹と二線幹

樹冠の状態

樹冠は、4歳より幼いと輪郭が描かれずに塗りつぶされて描かれ、それ以降は輪郭が描かれ、その輪郭の内部を塗りつぶすようになります。

5歳以降はほぼすべての事例で樹冠の輪郭が描かれるようになっていきます。樹冠が描かれる場合は、枝や葉をまとまりとして描くタイプと、枝で樹冠を表現するタイプの2種類があり、この点を見ることで認知パターンがわかります。

樹冠

枝の状態

枝は、知性や情緒を表します。

枝がたくさん描かれていると高揚感、枝を大きく広げて描くと寛容、枝が曲がっていると執着型、尖った枝なら批判的で攻撃性が強い、枝を描かないと引きこもり型など。

葉の状態

はっきりした葉なら社交的、葉が小さく形も曖昧なら内向的、葉を1枚づつ描くと完璧主義、葉が舞っていると自意識過剰、葉を描かないと孤独など。

しっかりした根は気分安定、根を描かないと不安など。

地面

地面は、他者との人間関係を表します。

地面が平坦だと人間関係に問題がない、地面が歪んでいると人間関係に問題がある、地面が塗りつぶされていると人間不信、地面に草が生えていると人間関係に疲れ果てている等。

実は、希望や目標を表します。

枝に実がついていると目標を持ち実行している最中、実の種類がバラバラだと誇大妄想的な夢を抱いている、落ちた実が描かれていると目標をあきらめたことがある等。

その他

左に太陽があるとやる気があり希望に溢れている、右に太陽があると新しい自分を模索しようとしている、雲や雨があると秘密がある等。

用紙の使い方が横向きの場合は現状の状態に満足していない、縦向きの場合は現状に特に不満はない。

筆圧強い場合は積極的で自己中心的、弱い場合は消極的で不安を抱えている。

早く描きあげようとする場合は短気、ゆっくり描きあげようとする場合は慎重。

木を最初に描く場合は安定だが急な不安を感じやすい、葉を最初に描く場合は虚栄心が強い、地面を最初に描く場合は他人に依存しがち等。

過去問

第1回 問16

バウムテストについて、正しいものを1つ選べ。
① K.Koch が精神疾患の診断を目的に開発した。
② 形状の年齢的変化では、二線幹のバウムは6歳までには減少する。
③ 樹冠の輪郭の有無によって、心理的発達の成熟又は未成熟が把握できる。
④ M.Grünwald の空間象徴理論に基づいて解釈を行うことを基本とする。
⑤ 対人関係や感情表出の特徴を示す指標として、枝の先端の処理に注目する。

① K.Koch が精神疾患の診断を目的に開発した。
間違いです。K.Kochが開発した心理検査で、精神疾患の診断が目的ではなくパーソナリティ検査です。

② 形状の年齢的変化では、二線幹のバウムは6歳までには減少する。
間違いです。形状の年齢的変化では、一線幹のバウムは6歳までには減少します。

③ 樹冠の輪郭の有無によって、心理的発達の成熟又は未成熟が把握できる。
間違いです。樹冠の輪郭の有無によって心理的発達の成熟又は未成熟を見るわけではありません。

④ M. Grünwald の空間象徴理論に基づいて解釈を行うことを基本とする。
間違いです。K.Kochの示した方法が基本であり、M.Grünwaldの空間象徴理論はその中の一部にすぎません。なんかズルい選択肢ですね。

⑤ 対人関係や感情表出の特徴を示す指標として、枝の先端の処理に注目する。
これが正解です。枝は知性や情緒を表します。

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コメント

  1. より:

    このテスト、初めて言った病院で受けました。が、その時
    「2、3分で実のなる木を書いて下さい。種類は何でもok」
    と言われ、色々なパターンの実のなる樹(地域や気候は無視で)を描いてしまい、先生に困惑されました。

    本当はこれ、1本だけ描くものだったのですね(;^ω^)

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