これまでは、病気や障害のある方向けの検査を見てきましたが、ここでは比較的健康な人を対象とするCMI健康調査票、GHQ精神健康調査票を見ていきましょう。
CMI(コーネル健康調査票)
CMI(Cornell Medical Index)は、1949年にコーネル大学の教授であるブロードマン(K.Brodman)、アードマン(J.Erdman)、ヴォルフ(G.Wolff)の3名によって発表された健康調査票です。
14歳以上に検査でき、幅広い身体的・精神的自覚症状を把握できる質問紙法です。
以下のように、12区分の身体的項目と6区分の精神的項目についての質問から構成されています(男性211項目、女性213項目)。
・目と耳
・呼吸器系
・心臓脈管系
・消火器系
・筋肉骨格系
・皮膚
・神経系
・泌尿生殖器系
・疲労度
・疾病頻度
・既往症
・習慣
・不適応
・抑うつ
・不安
・過敏
・怒り
・緊張
健康調査票となっていますが、神経症、統合失調症、心身症に伴う不安測定(スクリーニング)ができ、記録用紙にある重症度評価段階基準に基づいて重症度が算出できます。
GHQ(精神健康調査票)
GHQ(General Health Questionnaire)は、英国のモーズレイ精神医学研究所のゴールドバーグ(D.Goldberg)博士によって開発された質問紙法による検査です。
12歳以上が対象で、主として神経症者の症状把握、評価および発見に有効なスクリーニングテストとなっています。
まとめ
CMI健康調査票もGHQ精神健康調査票も、質問紙法による調査です。
項目 | CMI健康調査票 | GHQ精神健康調査票 |
---|---|---|
年齢 | 14歳以上 | 12歳以上 |
対象 | 本人 | 本人 |
形式 | 質問紙 | 質問紙 |
評価 | 心理的・身体的症状 | 神経症 |
項目数 | 男性211項目、女性213項目 | 60項目 |
過去問
第1回 問92
認知及び言語の発達の遅れが疑われる3歳の幼児に用いるアセスメントツールとして、最も適切なものを1つ選べ。
① BDI
② CMI
③ KABC-Ⅱ
④ MPI
⑤ WISC-Ⅳ
① BDI
BDI(ベック抑うつ質問票)は、抑うつ検査ですので間違いです。
② CMI
CMI(コーネル健康調査票)は、健康調査票なので間違いです。
③ KABC-Ⅱ
これが正解です。KABCは適用年齢は2歳6か月から18歳11か月までなので3歳にも適用できます。
④ MPI
MPI(モーズレイ性格検査)は、性格検査ですので間違いです。
⑤ WISC-Ⅳ
WISC-Ⅳ(児童用ウェクスラー式の知能検査)は、適用年齢が5歳~16歳11か月ですので適用できません。
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