カリスマの思い出
カリスマがプロボクサーだったころ、ボクシング仲間がくも膜下出血で倒れた。
試合中にパンチを受けて脳動脈瘤の破裂、意識不明、救急搬送、集中治療室。
幸い、一命はとりとめたが、半身麻痺で高次脳機能障害が残った。
京都大学ボクシング部で一緒に汗を流し、将来は世界チャンピオンになろうと二人で誓い合った。
毎日、授業が終わってから大文字山まで走って、日が暮れるまで殴り合った。
ボコボコにされて、ヘロヘロになって、鼻血が止まらなくて、フラフラで、それでも楽しかった。
そんな戦友が、今はしゃべることができない。
カリスマは彼と誓い合った約束を、今でも忘れていない。
過去問
第4回 問26
くも膜下出血の説明として最も適切なものを1つ選べ。
① 脳梗塞に比べて頻度は高い。
② 症状は24時間以内に消失する。
③ 緩徐に進行する頭痛で発症する。
④ 高次脳機能障害の原因ではない。
⑤ 脳動脈瘤の破裂によって起こる。
選択肢⑤が正解です。
第3回 問74
21歳の男性A、大学3年生。
Aは将来の不安を訴えて、学生相談室を訪れ、公認心理師Bと面談した。
Aは、平日は大学の授業、週末はボクシング部の選手として試合に出るなど、忙しい日々を送っていた。3か月前にボクシングの試合で脳震とうを起こしたことがあったが、直後の脳画像検査では特に異常は認められなかった。1か月前から、就職活動のためにOBを訪問したり説明会に出たりするようになり、日常生活がさらに慌ただしくなった。
その頃から、約束の時間を忘れて就職採用面接を受けられなかったり、勉強に集中できずいくつかの単位を落としてしまったりするなど、失敗が多くなった。
BのAへの初期の対応として、不適切なものを1つ選べ。
① 高次脳機能障害の有無と特徴を評価する。
② 医師による診察や神経学的な検査を勧める。
③ 不安症状に対して、系統的脱感作の手法を試みる。
④ 現在悩んでいることを共感的に聴取し、問題の経過を理解する。
選択肢③は初期の対応としては誤りです。
系統的脱感作をやっている場合ではありません。
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