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多職種チーム連携&地域連携

多職種チーム連携 専門職
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多職種チーム連携

チーム構成員

多職種チームによる連携とは、医師、看護師、公認心理師、精神保健福祉士などの専門職が連携して支援に当たることです。

これら専門職に加えて要支援者や家族もチームの一員と捉え、専門職から説明や助言を受けたりニーズや意向を伝えたり、チームの一員として主体的に関わってもらうことが重要です。

公認心理師の役割

特に公認心理師が留意すべき内容は以下の2点です(公認心理師法 第42条)。

・公認心理師は、その業務を行うに当たっては、その担当する者に対し、保健医療、福祉、教育等が密接な連携の下で総合的かつ適切に提供されるよう、これらを提供する者その他の関係者等との連携を保たなければならない。
・公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない。

病気などの「診断」は公認心理師の役割ではないこと、医師の指示を受けることは押さえておきましょう。各種心理検査を実施するのは公認心理師ですが、その検査結果に基づく診断は医師の仕事です。

地域連携

多職種チーム連携だけでなく、地域との連携も重要です。

地域のソーシャルサポートネットワーク等に加わるなど、地域の社会資源を活用しましょう。

過去問

第2回 問49

心理的支援を要する者へ多職種チームで対応する際に、公認心理師が留意すべき点として、不適切なものを1つ選べ。
① 要支援者もチームの一員とみなす。
② 要支援者の主治医の指示を確認する。
③ 多重関係に留意しながら関連分野の関係者と連絡を取り合う。
④ チームに情報を共有するときには、心理学の専門用語を多く用いる。

① 要支援者もチームの一員とみなす。
正しいです。

② 要支援者の主治医の指示を確認する。
正しいです。

③ 多重関係に留意しながら関連分野の関係者と連絡を取り合う。
正しいです。

④ チームに情報を共有するときには、心理学の専門用語を多く用いる。
不適切です。チーム全員が分かりやすい用語で。

第3回 問35

専門職連携を行う際の実践能力として、不適切なものを1つ選べ。
① 自分の職種の思考、行為、感情及び価値観について省みることができる。
② 他の職種の思考、行為、感情及び価値観について理解することができる。
③ 他の職種との関係の構築、維持及び成長を支援及び調整することができる。
④ 他の職種の役割を理解し、自分の職種としての役割を全うすることができる。
⑤ 患者の意向よりも、他の職種との間での共通の目標を最優先にして設定することができる。

選択肢⑤が不適切です。

第4回 問110

チームアプローチを取る際の公認心理師の姿勢として、不適切なものを1つ選べ。
① 自分の役割と限界を自覚する。
② チーム形成の目的や支援方針を共有する。
③ チーム内のスタッフ間の葛藤や混乱を整理する。
④ チームアプローチのためには社会人としての常識を必要とする。
⑤ チームアプローチであっても、職務に関する問題は、専門家として責任を持って一人で解決を図る。

選択肢⑤が不適切です。

第1回 問47

公認心理師が他の職種と連携して業務を行う際の秘密保持に関する留意点として、不適切なものを1つ選べ。
① 教育分野では、相談内容を担任教師に報告する場合、クライエントである児童生徒の同意が必要である。
② 医療分野では、全職種が守秘義務を有しているため、クライエントの秘密の扱いについて本人に同意を得る必要はない。
③ 産業分野では、うつに悩むクライエントから許可を得れば、クライエントの上司に対して業務量の調整を提案してよい。
④ 犯罪被害者のカウンセリングで得られた犯人に関する情報の提供を求められても、正当な理由がなく警察官に伝えてはならない。

選択肢②が正解です。不適切な内容を選ぶ問題は易しいです。

第1回(追試)問38

チーム医療の考え方として、最も適切なものを1つ選べ。
① チーム医療は医療機関内で提供されるものをいう。
② 患者や家族は医療チームの構成メンバーの一員とみなされない。
③ チーム医療のリーダーシップは状況によって構成メンバーの中で移譲される。
④ 構成する専門職個々のテクニカルスキルが高ければ、チーム医療は効果的に遂行される。

① チーム医療は医療機関内で提供されるものをいう。
間違いです。医療機関内に限定されず、地域全体で提供されるものです。

② 患者や家族は医療チームの構成メンバーの一員とみなされない。
間違いです。患者や家族もメンバーの一員です。

③ チーム医療のリーダーシップは状況によって構成メンバーの中で移譲される。
正しいです。

④ 構成する専門職個々のテクニカルスキルが高ければ、チーム医療は効果的に遂行される。
間違いです。個々のテクニカルスキルが高くても、うまく連携できなければチーム医療は効果的に遂行されません。

第1回(追試)問49

チーム医療において公認心理師が行う内容として、適切なものを2つ選べ。
① BDIによる評価
② COGNISTATの実施
③ バーセルインデックスの評価
④ 入院患者のせん妄のリスク評価
⑤ グラスゴーコーマスケール(GCS)の判定

① BDIによる評価
適切です。BDI(ベック抑うつ質問票)は公認心理師が実施できます。
この結果に基づく診断は医師の仕事です。

② COGNISTATの実施
適切です。COGNISTATは認知症の検査で、公認心理師が実施できます。
この結果に基づく診断は医師の仕事です。

③ バーセルインデックスの評価
間違いです。バーセルインデックスは、障害者や要介護者の日常生活動作を評価するための尺度の1つです。理学療法士や作業療法士が行うのが適切です。

④ 入院患者のせん妄のリスク評価
間違いです。これは医師の仕事です。

⑤ グラスゴーコーマスケール(GCS)の判定
グラスゴーコーマスケールGCS(Glasgow Coma Scale)は意識レベルの評価に用いられます。
イギリスのグラスゴー大学で開発されたコーマ(昏睡)の検査で、救急医療などで頭部外傷を負った患者などの意識レベルを評価します。
公認心理師の出る幕ではありません。

第3回 問124

チーム医療について、最も適切なものを1つ選べ。
① 多職種でのカンファレンスは、議論や検討の場ではない。
② 医療に従事する多種多様な医療スタッフが、場所を共有する。
③ 患者自身がチームの意思決定や治療選択に関わることはない。
④ 各職種の機能と役割について、互いに知っておくことが必要である。

① 多職種でのカンファレンスは、議論や検討の場ではない。
間違いです。カンファレンスでは議論や検討も行います。

② 医療に従事する多種多様な医療スタッフが、場所を共有する。
間違いです。場所ではなく「情報」を共有します。

③ 患者自身がチームの意思決定や治療選択に関わることはない。
間違いです。患者自身もチームの一員として意思決定に加わります。

④ 各職種の機能と役割について、互いに知っておくことが必要である。
正しいです。

第1回 問78

公認心理師の地域連携の在り方として、最も適切なものを1つ選べ。
① 地域の同じ分野の同世代の者たちと積極的に連携する。
② 他の分野との連携には、自身の分野の専門性の向上が前提である。
③ 医師からは指示を受けるという関係であるため、連携は医師以外の者と行う。
④ 既存のソーシャルサポートネットワークには入らず、新たなネットワークで連携する。
⑤ 業務を通じた連携を基本とし、業務に関連する研究会や勉強会を通して複数の分野との連携を行う。

① 地域の同じ分野の同世代の者たちと積極的に連携する。
同じ分野の同世代の者たちに限られません。

② 他の分野との連携には、自身の分野の専門性の向上が前提である。
自分の専門性の向上が前提ではありません。

③ 医師からは指示を受けるという関係であるため、連携は医師以外の者と行う。
医師との連携も重要です。

④ 既存のソーシャルサポートネットワークには入らず、新たなネットワークで連携する。
既存のネットワークの利用も重要です。

⑤ 業務を通じた連携を基本とし、業務に関連する研究会や勉強会を通して複数の分野との連携を行う。
これが正解です。

次の記事

次は、専門職の職業倫理と倫理的ジレンマについて。

職業倫理と倫理的ジレンマ
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