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職業倫理と倫理的ジレンマ

職業倫理 専門職
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職業倫理

公認心理師の倫理といえば、日本公認心理師協会の倫理綱領があります。

A4用紙1枚だけなので一度目を通しておいてもいいかも。

研究倫理の記事にも書きましたが、個人情報保護と「多重関係の禁止」についてはしっかり押さえておきましょう。

多重関係

多重関係とは、専門家としての役割と別の役割を意図的に同時に持ことです。

例えば、カウンセラーという立場の公認心理師がクライエントと恋愛関係になったり性的関係を結ぶなど。

例えば、自分の家族のカウンセリングを行う等も該当します。カウンセラーとクライエントという関係性に加えて、家族という関係性がありますね。

倫理的ジレンマ

倫理的ジレンマとは、相反する複数の倫理的根拠が存在し、それぞれの倫理的根拠によって全く異なる結論が出てしまうことです。

この倫理的ジレンマによって、支援者は大きな迷いを抱えることになります。

例えば医療現場では「終末期の患者に対する”積極的な治療”をやめるべきか否か」という倫理的ジレンマがありますね。

過去問

第3回 問1

要支援者と公認心理師の関係について、適切なものを1つ選べ。
① 心理療法の面接時間は、要支援者のニーズに合わせてその都度変えるのが良い。
② 投薬が必要となり、精神科に紹介したケースも、必要であれば心理的支援を継続する。
③ 知らない人に対して気後れして話ができないという友人の母親のカウンセリングを引き受ける。
④ 大学附属の心理相談室で新規ケースのインテーク面接を行う場合、受理するかどうかは自分一人で決める。
⑤学校内で自殺者が出た場合の緊急介入時には、事実を伝えるのは亡くなった生徒と親しかった少数のみに限定するのが原則である。

① 心理療法の面接時間は、要支援者のニーズに合わせてその都度変えるのが良い。
不適切です。心理療法の面接時間はその都度変えてはいけません。

② 投薬が必要となり、精神科に紹介したケースも、必要であれば心理的支援を継続する。
適切です。これが正解です。

③ 知らない人に対して気後れして話ができないという友人の母親のカウンセリングを引き受ける。
不適切です。多重関係は避けなければなりません。

④ 大学附属の心理相談室で新規ケースのインテーク面接を行う場合、受理するかどうかは自分一人で決める。
不適切です。チームで支援するので自分ひとりで決めてはいけません。

⑤学校内で自殺者が出た場合の緊急介入時には、事実を伝えるのは亡くなった生徒と親しかった少数のみに限定するのが原則である。
不適切です。情報公開の人数を制限すると、周囲で様々な憶測が生まれ不信感の原因となってしまいます。

第1回(追試)問110

公認心理師の責務と職業倫理とに基づく相談業務の対応として、不適切なものを1つ選べ。
① 国内外の様々な指針や研究結果を実践的に取り入れる。
② 自分が兼務している別の機関にクライエントを紹介する。
③ 友人から心理的支援の依頼を受けた場合は、多重関係となるため断る。
④ クライエントに自分自身でどの機関で援助を受けるか決めるよう助言する。
⑤ 初回の面接で自らが不在の際の対応について、クライエントに希望を聞く。

① 国内外の様々な指針や研究結果を実践的に取り入れる。
適切です。

② 自分が兼務している別の機関にクライエントを紹介する。
自分が兼務しているという点が不適切です。利益相反に当たります。

③ 友人から心理的支援の依頼を受けた場合は、多重関係となるため断る。
適切です。

④ クライエントに自分自身でどの機関で援助を受けるか決めるよう助言する。
適切です。

⑤ 初回の面接で自らが不在の際の対応について、クライエントに希望を聞く。
適切です。

第3回 問117

公認心理師が留意すべき職責や倫理について、不適切なものを1つ選べ。
① 心理的支援に関する知識及び技術の習得など資質向上に努めなければならない。
② 法律上の「秘密保持」と比べて、職業倫理上の「秘密保持」の方が広い概念である。
③ 心理的支援の内容・方法について、クライエントに十分に説明を行い、同意を得る。
④ 心理状態の観察・分析などの内容について、適切に記録し、必要に応じて関係者に説明ができる。
⑤ クライエントの見捨てられ不安を防ぐため、一度受理したケースは別の相談機関に紹介リファーしない。

① 心理的支援に関する知識及び技術の習得など資質向上に努めなければならない。
正しいです。

② 法律上の「秘密保持」と比べて、職業倫理上の「秘密保持」の方が広い概念である。
正しいです。

③ 心理的支援の内容・方法について、クライエントに十分に説明を行い、同意を得る。
正しいです。

④ 心理状態の観察・分析などの内容について、適切に記録し、必要に応じて関係者に説明ができる。
正しいです。

⑤ クライエントの見捨てられ不安を防ぐため、一度受理したケースは別の相談機関に紹介リファーしない。
間違いです。必要に応じてリファーします。

第1回 問107

心理職の行動として、不適切なものを1つ選べ。
① クライエントからの贈り物を断る。
② 部下の家族をカウンセリングする。
③ クライエントに対して人間的な魅力を感じる。
④ クライエントからデートの誘いを受けた際に断る。
⑤ 自身の生徒のカウンセリングを断り、他の専門家を紹介する。

① クライエントからの贈り物を断る。
適切です。

② 部下の家族をカウンセリングする。
不適切です。多重関係は避けなければなりません。
ということでこれが正解です。

③ クライエントに対して人間的な魅力を感じる。
不適切ではありません。

④ クライエントからデートの誘いを受けた際に断る。
適切です。

⑤ 自身の生徒のカウンセリングを断り、他の専門家を紹介する。
適切です。多重関係は避けなければなりません。

第4回 問123

倫理的ジレンマが より強まるものとして 最も適切なものを1つ選べ。
① 輸血が必要な患者が、宗教上の理由で輸血を拒否している場合
② 疼痛緩和が必要な患者に、医療チームが疼痛コントロールを行う場合
③ 医療チームが、新規の治療技術について臨床倫理委員会に申請している場合
④ 多職種でコミュニケーションの必要性を認識し、 意思疎通を図っている場合

選択肢①が正解です。異なる倫理基準が支援者を悩ませます。

第5回 問51

公認心理師としての実践において倫理的に問題とされる多重関係に該当するものを2つ選べ。
① 適度に自分の経験を開示する。
② クライエントから母親のイメージの投影を受ける。
③ 心理職の同僚間で相互にコンサルテーションを行う。
④ 終結を記念してクライエントとレストランで会食する。
⑤ 税理士であるクライエントに確定申告を手伝ってもらう。

選択肢④と⑤が多重関係です。

次の記事

次は、専門職の行動特性であるコンピテンシーについて。

【コンピテンシー】専門職の行動特性
コンピテンシーとは、高い成果につながる「行動特性」のことです。専門職が高いパフォーマンスを発揮する行動特性には共通点があり、それをコンピテンシーと言います。基盤コンピテンシーE.Rodolfa らが提唱した心理職の...

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