公認心理師になるために大学や大学院で学ぶ中で、実習に行きますね。
実習は、行く側も受け入れる側も、とてもたいへんです。
実習生は初めての実習先で緊張の連続、精神的にもかなり疲労するでしょう。
事業所側は日々の支援に加えて実習生の相手をしなければならず、実習簿の記入等の事務作業も増えます。
だからこそ、実習を実りあるものにしたいです。
目標
実習は、公認心理師に求められる倫理や態度を学ぶ良い機会であると捉えましょう。
実習に先立って目標を明示し、実習指導者と実習生が共有します。
評価
評価は、実習指導者の評定や実習生本人の自己評価を考慮し、実習の達成度などの評価基準に基づいて総合的に行うことが望ましいです。
なので、リッカート尺度で評価するような形は望ましくありません。
過去問
第3回 問58
公認心理師を養成するための実習で学ぶ際に重視すべき事項として、適切なものを2つ選べ。
① 自らの訓練や経験の範囲を超えたクライエントも積極的に引き受けるようにする。
② 実習で実際のクライエントに援助を提供する場合には、スーパービジョンを受ける。
③ 実習で担当したクライエントに魅力を感じた場合には、それを認識して対処するように努める。
④ 業務に関する理解や書類作成の方法を学ぶことよりも、クライエントへの援助技法の習得に集中する。
⑤ クライエントとのラポール形成が重要であるため、多職種との連携や地域の援助資源の活用に注目することは控える。
① 自らの訓練や経験の範囲を超えたクライエントも積極的に引き受けるようにする。
不適切です。自らの力量を超えているなら積極的に引き受けてはいけません。
② 実習で実際のクライエントに援助を提供する場合には、スーパービジョンを受ける。
適切です。
③ 実習で担当したクライエントに魅力を感じた場合には、それを認識して対処するように努める。
適切です。これは「逆転移」のことで、それを認識して対処するよう努めなければなりません。
④ 業務に関する理解や書類作成の方法を学ぶことよりも、クライエントへの援助技法の習得に集中する。
不適切です。実習で学ぶ内容は援助技法だけでなく書類作成等も含めた業務全体の理解が含まれます。
⑤ クライエントとのラポール形成が重要であるため、多職種との連携や地域の援助資源の活用に注目することは控える。
不適切です。多職種との連携も重要です。
第2回 問58
公認心理師を養成するための実習について、正しいものを2つ選べ。
① 公認心理師に求められる倫理や態度を学ぶ良い機会である。
② 実習生の評価には多肢選択式の客観的な試験による評価が適している。
③ 実習に先立って目標を明示し、実習指導者と実習生が共有することが重要である。
④ 実習生は、公認心理師の資格を持っていないため、クライエントの面接を行うべきではない。
⑤ 実習生がクライエントに直接関わらず見学のみの場合は、その同意をクライエントに求める必要はない。
① 公認心理師に求められる倫理や態度を学ぶ良い機会である。
正しいです。
② 実習生の評価には多肢選択式の客観的な試験による評価が適している。
間違いです。評価は、実習指導者の評定や実習生本人の自己評価を考慮し実習の達成度などの評価基準に基づいて総合的に行うことが望ましいとされているので、多肢選択式ではいけません。
③ 実習に先立って目標を明示し、実習指導者と実習生が共有することが重要である。
正しいです。
④ 実習生は、公認心理師の資格を持っていないため、クライエントの面接を行うべきではない。
間違いです。公認心理師は業務独占資格ではないため公認心理師資格を所持していない実習生もクライエントとの面接が行えます。
実習ではそのような経験を積むことが望ましいです。
⑤ 実習生がクライエントに直接関わらず見学のみの場合は、その同意をクライエントに求める必要はない。
間違いです。クライエントの同意を求める必要があります。
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次は、医療福祉系専門職です。
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