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【自殺】ポストベンション&ゲートキーパー

自殺 社会&集団
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自殺については以下の記事を参照してください。

自殺のポストベンションとゲートキーパーを押さえておきましょう。

【自殺対策】ポストベンション&ゲートキーパー
日本では何万人もの人が、毎年自殺しています。その数に驚くと同時に、その一人ひとりに人生があったことを改めて思います。こんな異常な状態の日本が、未来に希望の持てる国になってほしいと願います。近年の動向下のグラフにあるように、1998年に年間自
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自殺のポストベンション

自殺予防は、プリベンション(事前対応)、インターベンション(危機介入)、ポストベンション(事後対応)の 3段階に分類されます。

プリベンションとは、現時点で危険が迫っているわけではありませんが、その原因を取り除いたり、教育をしたりすることによって、自殺が起きるのを予防することです。インターベンションとは、今まさに起きつつある自殺の危険に介入し、自殺を防ぐことです。予防に全力を挙げることは当然ですが、自殺を100%防ぐことは不可能です。そこで、ポストベンションがあります。

自殺のポストベンションには以下の原則があります。

・関係者の反応が把握できる人数で集まる
・自殺について事実を中立的な立場で伝える
率直な感情を表現する機会を与える 
・知人の自殺を経験した時に起こり得る反応や症状を説明する 
・個別に専門家による相談を希望する人には、その機会を与える 
・自殺にとくに影響を受ける可能性のある人に対して積極的に働きかける 
(引用:安全衛生情報センター
上の赤線部分は「心理的デブリーフィング」です。

これってサイコロジカルファーストエイドでダメなやつですよね。

サイコロジカルファーストエイドを用いる被災直後というタイミングで、しかもPTSDへの対応として心理的デブリーフィングはダメですが、自殺のポストベンションでは心理的デブリーフィングが用いられます。
 
 
 

過去問

第2回 問95

自殺予防に対する公認心理師の対応や判断として、最も適切なものを1つ選べ。
① 自殺をしようと計画する人は、死ぬことを決意している。
② 自殺の危機が緩和されるまで、心理の深層を扱うような心理療法を継続する。
③ 公認心理師がクライエントと自殺について話をすると、自殺行動を引き起こすことになる。
④ 自殺が1つの選択肢であるという考えを一旦受容し、自殺が正しい判断ではないことを確認する。
⑤ クライエントが自殺について語るときは、注意を引きたいだけであるため、実際に自分自身を傷つけることはない。

① 自殺をしようと計画する人は、死ぬことを決意している。
誤りです。

② 自殺の危機が緩和されるまで、心理の深層を扱うような心理療法を継続する。
誤りです。精神的疲労がある状態において深層を扱う心理療法を続けることは適当ではありません。

③ 公認心理師がクライエントと自殺について話をすると、自殺行動を引き起こすことになる。
誤りです。

④ 自殺が1つの選択肢であるという考えを一旦受容し、自殺が正しい判断ではないことを確認する。
正しいです。

⑤ クライエントが自殺について語るときは、注意を引きたいだけであるため、実際に自分自身を傷つけることはない。
誤りです。

第2回 問106

自殺の予防の観点から、自殺のリスクが最も低い因子を1つ選べ。
① 精神障害
② 自殺企図歴
③ 中年期の女性
④ 社会的支援の欠如
⑤ 自殺手段への容易なアクセス

選択肢③が正解です。

第1回 問34

自殺対策におけるゲートキーパーの役割について、不適切なものを1つ選べ。
① 専門家に紹介した後も地域で見守る。
② 悩んでいる人に寄り添い、関わりを通して孤立や孤独を防ぐようにする。
③ 専門的な解釈を加えながら診断を行い、必要に応じて医療機関を受診させる。
④ 悩んでいる人のプライバシーに配慮しつつ、支援者同士はできるだけ協力する。
⑤ 悩んでいる人から「死にたい」という発言がなくても、自殺のリスクについて評価する。

正解は選択肢③です。ゲートキーパーが診断を行うのは不適切です。

第1回(追試) 問139

17歳の男子A、高校2年生。
スポーツ推薦で入学したが、怪我のため退部した。
もともと友人は少なく、退部以降はクラスで孤立し、最近欠席も目立つようになっていた。
「死にたい」と書かれたメモをAの保護者が自宅で発見し、スクールカウンセラーに面接依頼があった。
保護者との面接では家庭環境に問題は特に認められず、Aは「死ぬつもりはない」と話したという。
Aとの面接では、落ち着かずいらいらした態度で、「死ぬ方法をネットで検索している。高校にいる意味が無い」、「今日話したことは誰にも言わないでください」と語った。
スクールカウンセラーの判断と対応として、最も適切なものを1つ選べ。
① 自殺の危険は非常に低いが、Aを刺激しないよう自殺を話題にすることを避ける。
② 自殺の危険が比較的低いため、ストレスマネジメントなどの予防的対応を行う。
③ 自殺の危険が比較的低いため、得られた情報は秘密にし、Aとの関係形成を図る。
④ 自殺の危険が非常に高いため、Aの安全の確保して、医療機関の受診に結び付ける。
⑤ 自殺の危険が非常に高いため、自殺企図を引き起こしたきっかけを尋ね問題の解決を図る。

正解は選択肢④です。

第1回(追試) 問144

大学の学生相談室のカウンセラーが、教員Aから以下のような相談を受けた。
「先月、ゼミを1か月欠席している学生Bを指導するため面談しました。Bは意欲が減退し、自宅にひきこもり状態で、大学生にはよくある悩みだと励まし、カウンセリングを勧めましたがそちらには行っていないようですね。Bは私とは話せるようで、何回か面談しています。
今日の面談では思い詰めた表情だったので、自殺の可能性を考え不安になりました。後日また面談することについてBは了承していますが、教員としてどうしたら良いでしょうか。」
このときのカウンセラーのAへの対応として、最も適切なものを1つ選べ。
① Bの自殺の可能性は低いと伝え、対応はAに任せる。
② カウンセラーがBと直接会ってからAと対応を検討する。
③ Bにカウンセリングを受けることを強く勧めるよう助言する。
④ Bの問題を解決するために継続的にAに面談することを提案する。
⑤ 危機対応として家族に連絡し医療機関への受診を勧めるよう助言する。

正解は選択肢④です。自殺の可能性を高いとみれば選択肢⑤が良いように思いますが・・・。

第1回(追試) 問153

50歳の男性A。うつ病の診断で通院中である。
通院している病院に勤務する公認心理師がAと面接を行っていたところ、Aから自殺を計画していると打ち明けられた。
Aは「あなたを信頼しているから話しました。他の人には絶対に話さないでください。僕の辛さをあなたに分かってもらえれば十分です」と話した。
このときの公認心理師の対応として、優先されるものを2つ選べ。
① 自殺を断念するように説得する。
② 自殺予防のための電話相談を勧める。
③ 主治医に面接内容を伝え、相談する。
④ 秘密にするという約束には応じられないことをAに伝える。
⑤ Aの妻に「話さないでほしい」と言われていることを含めて自殺の計画について伝える。

「あなたを信頼しているから話しました」という発言から、①や②の対応は適切ではありません。
正解は選択肢③と④です。

第2回 問34

学校における自殺予防教育について、最も適切なものを1つ選べ。
① プログラムは地域で共通のものを使用する。
② 学級づくりのできるだけ早い段階に実施する。
③ 目標は早期の問題認識及び援助希求的態度の育成である。
④ いのちは大切なものであるという正しい価値観を提供する。
⑤ 自殺のリスクを抱える児童生徒のプログラム参加は避ける。

選択肢③が正解です。選択肢④のような特定の価値観や道徳心の押し付けは避けなければなりません。

第3回 問3

自殺予防や自殺のリスク評価について、正しいものを1つ選べ。
① 文化的・宗教的な信条は、自殺のリスクに関連しない。
② 自殺念慮に具体的な計画があると、自殺のリスクが高い。
③ 家族や身近な人に自殺者がいても、自殺のリスクが高いとは言えない。
④ 自殺予防のための情報提供などの普及啓発は、自殺の二次予防として重要である。
⑤ 自殺手段や自殺が生じた場所について繰り返し詳しく報道することは、自殺予防になる。

① 文化的・宗教的な信条は、自殺のリスクに関連しない。
間違いです。自殺のリスクに関連します。

② 自殺念慮に具体的な計画があると、自殺のリスクが高い。
正しいです。

③ 家族や身近な人に自殺者がいても、自殺のリスクが高いとは言えない。
間違いです。自殺のリスクが高いと言えます。

④ 自殺予防のための情報提供などの普及啓発は、自殺の二次予防として重要である。
間違いです。二次予防ではなく一次予防です。

⑤ 自殺手段や自殺が生じた場所について繰り返し詳しく報道することは、自殺予防になる。
間違いです。後追い自殺が増える危険性があります。

第3回 問4

ある医療機関で入院患者が自殺し、3日後に同じ病棟の患者が続けて自殺した。
この病棟における自殺のポストベンションについて、最も適切なものを1つ選べ。
① 第一発見者のケアを優先する。
② 患者の担当以外の病棟スタッフは対象にならない。
③ 自殺の原因を特定し、病棟の問題を解決することが目的である。
④ 入院患者と医療スタッフが当該自殺に関する率直な感情を表現する機会を設ける。
⑤ 守秘義務のため、亡くなった患者と親しかった他の患者には自殺について伝えない。

① 第一発見者のケアを優先する。
間違いです。全関係者のケアが必要です。

② 患者の担当以外の病棟スタッフは対象にならない。
間違いです。①と同じく全ての関係者のケアが必要です。

③ 自殺の原因を特定し、病棟の問題を解決することが目的である。
間違いです。自殺のポストベンションは原因究明が目的ではありません。

④入院患者と医療スタッフが当該自殺に関する率直な感情を表現する機会を設ける。
正しいです。サイコロジカルファーストエイドには心理的デブリーフィングはダメでしたが、自殺のポストベンションにはOKです。もちろん本人の意思で、ですが。

⑤ 守秘義務のため、亡くなった患者と親しかった他の患者には自殺について伝えない。
間違いです。憶測に基づくうわさ話が広がらないように、遺族の了解を得た上で関係者に正確な事実を伝えることが望ましいとされています。

第3回 問71  

22歳の男性A、大学4年生。
Aは12月頃、就職活動も卒業研究もうまくいっていないという主訴で学生相談室に来室した。
面接では、気分が沈んでいる様子で、ポツリポツリと言葉を絞り出すような話し方であった。
「就職活動がうまくいかず、この時期になっても1つも内定が取れていない。卒業研究も手につかず、もうどうしようもない」と思い詰めた表情で語っていた。
指導教員からも、日々の様子からとても心配しているという連絡があった。
Aの自殺のリスクを評価する際に優先的に行うこととして、不適切なものを1つ選べ。
① 絶望感や喪失感などがあるかどうかを確認する。
② 就職活動の方向性が適切であったかどうかを確認する。
③ 現在と過去の自殺の念慮や企図があるかどうかを確認する。
④ 抑うつ状態や睡眠の様子など、精神的・身体的な状況を確認する。
⑤ 就職活動や卒業研究の現状を、家族や友人、指導教員に相談できているかどうかを確認する。

選択肢②が不適切です。批判的な内容は希死念慮を憎悪させる恐れがあります。

第4回 問2

身体損傷により病院に搬送された患者で自損行為の可能性が疑われる場合、緊急に確認するべき事項として 優先度の低いものを1つ選べ。
① 自らの意思で行ったかどうかを確認する。
② 致死的な手段を用いたかどうかを確認する。
③ 明確な自殺の意図があったかどうかを確認する。
④ 背景にストレス要因があったかどうかを確認する。
⑤ 明確な致死性の予測があったかどうかを確認する。

選択肢④が正解です。非自殺性自傷なのか確実的自殺企図自傷なのかの違いを明確にする必要があります。

第5回 問47

職場における自殺のポストベンションとして、不適切なものを1つ選べ。
① 必要に応じて専門職員による個別相談の機会を与える。
② 集団で行う場合には、関係者の反応が把握できる人数で実施する。
③ 自殺の原因になったと推測される人間関係を含め詳細まで公にする。
④ 強い心理的ショックを経験した直後の一般的な心身の反応について説明する。

選択肢③が不適切、正解です。

第5回 問122

児童生徒の自殺が発生した学校への緊急支援に関わる公認心理師の活動として、最も適切なものを1つ選べ。
① 全体的対応ではなく、個別的対応に特化した支援に携わる。
② 児童生徒の混乱を防ぐため、事実に基づく正確な情報を早い段階で伝えることは控える。
③ トラウマ反応の予防のため、最初の職員研修において心理的デブリーフィングを実施する。
④ いらいらや食欲不振といった、心身の反応については、特殊な事態における一般的な反応であると児童生徒や関係者に伝える。

選択肢④が適切です。心理的デブリーフィングは自殺のポストベンションでは実施されることがありますが、選択肢③のようなトラウマ反応の予防のために実施するのはよくありません。

第5回 問123

高等学校における自殺予防教育について、最も適切なものを1つ選べ。
① 生徒はゲートキーパー養成の対象ではない。
② 自殺の危機が迫っている場合の介入として行う。
③ 自殺について教師と生徒が率直に話し合う機会を設ける。
④ 自殺予防教育では、「死にたい」という生徒は自殺の心配がないことを説明する。

選択肢③が正解です。

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