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【心理療法】遊戯療法&箱庭療法、遊びって大事だよ

遊戯療法 心理療法
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遊戯療法と箱庭療法について見てみましょう。

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遊戯療法

アンナ・フロイト&メラニー・クライン

遊戯療法は、心理学の三大巨頭であるジークムント・フロイトの娘、アンナ・フロイト(A.Freud)がその始まりに関与しています。

フロイトと言えば精神分析ですので、その教育をうけたアンナは児童を対象とした精神分析を始めます。

この児童を対象とした精神分析のことを「児童分析」といいます。

遊戯療法の始まりである児童分析といえば、アンナ・フロイトやメラニー・クライン(M.Klein)が有名です。

児童分析では「遊び」が重要ですが、両者には以下のような考え方の違いがありました。

アンナ・フロイト:「遊びはセラピストとの関係性作りのためで、分析の下地にすぎない」
メラニー・クライン:「遊びそのものが子どもの精神分析になる」

この「遊び」を研究していく中で生まれた心理療法が、「遊戯療法」です。

バージニア・アクスライン

遊戯療法の第一人者はアメリカの児童心理学者バージニア・アクスライン(V.Axline)です。

アクスラインの考え方は、「子どもをコントロールせず、子ども自身の主体性を尊重する」というもの、つまり、子どもの主体性を尊重する非指示的な遊戯療法が特徴です。

アクスラインの師匠は、アメリカ心理学会で「もっとも影響力のある10人の心理療法家」の1位にも選ばれたカール・ロジャースです。

ロジャースといえば「来談者中心療法」だね。

アクスラインは、自身の遊戯療法を実行する際には、以下の8つの原則に沿って行うべきであるということを提起し、これによって子どもは自らの中にある問題を自力で乗り越えていけるようになると考えます。

①ラポールの確立
②受容
③許容的雰囲気
④情緒的反射
⑤主体性の尊重
⑥非指示的態度
⑦プロセスの認識
⑧制限

箱庭療法

箱庭療法は、セラピストが見守る中でクライエントが砂の入った箱の中にミニチュア玩具を置いたり砂自体を使って表現したり、遊ぶことを通して行う心理療法です。

1929年、ロンドンの小児科医ローエンフェルト(M.Lowenfeld)によって創始され、スイスのカルフ(D.Kalff)がユング心理学の考え方を取り入れながら発展させました。

この箱庭の表現によって言葉にならない葛藤やイメージが表現され、意識していることだけでなく無意識的な心身の状態が感じられ、自己理解と人格的変容が促されます。

遊戯療法と一緒に実施されることが多いです。

過去問

第3回 問5

遊戯療法と最も関係が深い人物として、正しいものを1つ選べ。
① A.Ellis
② A.Freud
③ A.T.Beck
④ H.A.Murray
⑤ J.B.Watson

選択肢②「アンナ・フロイト」が正解です。

第4回 問79

教育相談の現場での遊戯療法において、小学4年生の女子Aが、「授業が分からない」、「友達がいなくて学校に居場所がない」、
「お父さんがお布団に入ってくる」、「おばあちゃんが入院中で死なないか心配」と話した。
公認心理師として、最も優先的に考慮するべきものを1つ選べ。
① Aの学力
② Aの祖母の病状
③ Aの父親の行動
④ Aの学校での居場所
⑤ Aのソーシャル・スキル

教育現場での遊戯療法では、事例のような不安を受け止め、共感的に接することになります。

事例のような内容に対して、「授業が分からない」「友達がいなくて学校に居場所がない」「おばあちゃんが入院中で死なないか心配」については、よくある不安ですから、共感して受け止めることになりますが、「お父さんがお布団に入ってくる」に関しては異なります。

この内容に関しては児童への性的虐待の可能性があるので、最も優先的に考慮する必要があります。

ということで選択肢③が正解です。

次の記事

次は、回想法について取り上げます。

【心理療法】回想法、思い出は大事だよ
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