スキーマとは
認知行動療法において自動思考を生成させる信念体系のことをスキーマと呼びます。
つまりスキーマは、考え方の土台となる価値観やルールのことです。
「スキーマ」はピアジェの提唱した「シェマ」と同じものです。シェマはフランス語、スキーマは英語です。
このスキーマには非機能的な信念があり、これによって気分障害や人格障害などの問題が生じます。
このような非機能的なスキーマを修正するために開発されたのがスキーマ療法です。
スキーマ療法
スキーマ療法は、アメリカの心理学者ヤング(J.E.Young)が開発しました。
認知行動療法を基本としつつ、精神分析対象関係論、愛着理論(アタッチメント理論)、ゲシュタルト療法など、既存の療法から理論と技法を取り入れた統合的な心理療法です。
人は、何か物事に対して知覚し、それを受けて喜怒哀楽を感じたり、身体反応が起こったりしますが、その土台となっているスキーマ(価値観やルール)を改善しようというのがスキーマ療法です。
治療対象
スキーマ療法は、主にパーソナリティ障害(境界性パーソナリティ障害や自己愛性パーソナリティ障害など)を抱える方の治療に用いられます。
過去問
第4回 問96
パーソナリティ障害に適用するため、認知行動療法を拡張し、そこにアタッチメント理論、 ゲシュタルト療法、力動的アプローチなどを組み込んだ、統合的な心理療法として、最も適切なものを1つ選べ。
① スキーマ療法
② 対人関係療法
③ 動機づけ療法
④ 問題解決療法
⑤ アクセプタンス&コミットメントセラピー (ACT)
選択肢①が正解です。
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