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【社会的養護】パーマネンシーに向けて

社会的養護 児童
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社会的養護とは、保護者のない児童や保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うことです。

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家族再統合

社会的養護は最終的に家族再統合(家庭復帰など)を目指しますが、「社会的養護関係施設における親子関係再構築支援ガイドライン」では以下のように述べられています。

家庭復帰という形の親子関係の再構築ができなくても、施設で過ごし自立するまでに、子どもが生い立ちの整理をできるように働きかけたり、心の中の親との関係再構築を支援したり、あるいは永続的な養育を受けられる場を提供することにより、子どもが人や世界を肯定的に眺めることができるようになることが大切である。
子どもが自尊感情を持てるようになることが、その後の社会適応を良くし、将来、その子どもが親になった時にも自分の子どもの気持ちのサインにすぐに応答でき、子どもに不安を与えない養育ができるようになると言われている。

パーマネンシー

社会的養護の永続的解決のことを「パーマネンシー」と呼び、国際連合の”児童の代替的養護に関する指針”における目標として以下のように定められています。

パーマネンシーは「永久」「永遠」という意味ですね。

非公式の養護を含め、代替的養護を受けている児童に関する決定は、安定した家庭を児童に保障すること、及び養護者に対する安全かつ継続的な愛着心という児童の基本的なニーズを満たすことの重要性を十分に尊重すべきであり、一般的に永続性が主要な目標となる

例えば里親委託という形の社会的養護は、18歳までという原則がありますので、永続的解決とはなりません。

よりレベルの高いパーマネンシーは「特別養子縁組」です。

親子関係を結ぶわけですから、永続的解決につながりますね。

過去問

第3回 問23

児童の社会的養護における家族再統合について、最も適切なものを1つ選べ。
① 家庭復帰が困難な子どもは対象ではない。
② 児童福祉施設は、家族再統合には積極的に関与しない。
③ 家庭裁判所は、申立てがあった場合、直接保護者に適切な治療や支援を受けることを命令できる。
④ 子どもが、家族の歴史や事情を知った上で、肯定的な自己イメージを持つことができるよう支援する。
⑤ 施設や里親などにおける子どもの生活が不安定になるため、分離中の実親との交流は、原則として控える。

① 家庭復帰が困難な子どもは対象ではない。
誤りです。家庭復帰が困難な子どもも対象です。

② 児童福祉施設は、家族再統合には積極的に関与しない。
誤りです。児童福祉施設が積極的に関与します。

③ 家庭裁判所は、申立てがあった場合、直接保護者に適切な治療や支援を受けることを命令できる。
誤りです。家庭裁判所が保護者にできるのは、臨検、捜索、親権停止です。

④ 子どもが、家族の歴史や事情を知った上で、肯定的な自己イメージを持つことができるよう支援する。
正しいです。

⑤ 施設や里親などにおける子どもの生活が不安定になるため、分離中の実親との交流は、原則として控える。
誤りです。実親との交流についても児童相談所が調整します。

第4回 問134

社会的養護における永続性(パーマネンシー)について 正しいものを2つ選べ。
① 里親委託によって最も有効に保証される。
② 選択最適化補償理論に含まれる概念である。
③ 対象がたとえ見えなくなっても、存在し続けるという認識である。
④ 国際連合の”児童の代替的養護に関する指針”における目標である。
⑤ 子供の出自を知る権利を保障できる記録の永年保存が求められる。

① 里親委託によって最も有効に保証される。
誤りです。里親委託より特別養子縁組のほうがパーマネンシーは保証されます。

② 選択最適化補償理論に含まれる概念である。
誤りです。これはバルテスのSOC理論です。

③ 対象がたとえ見えなくなっても、存在し続けるという認識である。
誤りです。これはピアジェの対象の永続性の概念です。

④ 国際連合の”児童の代替的養護に関する指針”における目標である。
正しいです。

⑤ 子供の出自を知る権利を保障できる記録の永年保存が求められる。
正しいです。

第4回 問154

0歳の男児A。
18歳の母親 Bは、医療機関に受診のないまま緊急の分娩によりAを出産した。
分娩自体は正常で、Aの健康状態に 問題はなかったが 、母子の状態が安定するまで医療機関に入院となった。
医療機関から連絡を受けた児童相談所がBとの面談を実施したところ、 Bは精神的に安定しているもののAを養育する意思がなかった。
また経済的な問題も見られ、Aの父親も不明であった。
Aを養育することが可能な親族も 見当たらない。
この時点で考えられる主な措置先を2つ選べ。
① 乳児院
② 里親委託
③ 一時保護所
④ 児童自立支援施設
⑤ 母子生活支援施設

選択肢①と②が正解です。

乳児院、児童自立支援施設、母子生活支援施設は児童福祉法に規定される児童福祉施設です。

第5回 問130

我が国の里親制度に関する説明として、正しいものを2つ選べ。
① 養子縁組里親は、家庭裁判所の審判により決定される。
② 親族里親は、祖父母等の親族が養育を行う里親制度である。
③ 全ての里親は、子どもの日常生活にかかる費用の支給を受ける。
④ 養育里親は、法律上の親子関係を成立させることを目的とする。
⑤ 専門里親は、児童相談所に付設する施設において、子どもの保護を行う。

選択肢①と②が正解?①が怪しい・・・。

選択肢③について、養育費は全ての里親に支給されますが、里親手当は親族里親と養子縁組里親には支給されません。で、これを正解とするかどうか。

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次は、子どもの貧困問題について。

子どもの貧困問題
貧困家庭と貧困の連鎖貧困は、子どもの教育機会を奪ったり、家庭でのマルトリートメントや児童虐待との関連も指摘されています。例えば生活保護を受給する貧困家庭では、そのような家庭で育った子供が独立した後も生活保護を受給する可能性...

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