ハロー効果(後光効果、光背効果)とは
ハロー効果とは、認知バイアスの一種で、対象物に対して後光を感じ取ると、対象の印象を歪めてしまう心理現象を指します。
心理学者のエドワード・ソーンダイクによって名づけられました。
試行錯誤学習のソーンダイクですね。
「ハロー(halo)」とは、「後光」や「光輪」を意味する言葉で、「後光効果」「光背効果」とも呼ばれます。
ハロー効果が顕著に表れるのは、面接試験です。
面接官は短い時間で相手のことを理解しなければなりませんので、視覚的な第一印象に引っ張られて、身なりがしっかりしているだけで仕事もきっちりできそうとか、英語が流暢にしゃべれると他の能力も高いはずとか、「後光」を感じることでその人の印象が歪んで認知されてしまいます。
カリスマさんへのハロー効果がすごくて、何でもできる人と思われてるみたい。
過去問
第2回 問114
採用面接において面接者が陥りやすい心理として、誤っているものを1つ選べ。
① 対比効果
② 寛大化傾向
③ ハロー効果
④ ステレオタイプ
⑤ ブーメラン効果
① 対比効果
対比効果は、同じものごとでも比べる対象が変わると印象も変わってくる現象のことです。
面接では、悪い印象の人を見た後に普通の人を見ると良い印象を持ってしまうことがあります。
② 寛大化傾向
寛大化傾向は、評価において評価結果が甘くなることです。
面接では、評価者自身が自分の能力に自信がないために評価が甘くなることがあります。
③ ハロー効果
ハロー効果は、ある対象を評価する時に、その人が持つ顕著な特徴に引きずられ、他の特徴についての評価がゆがめられることです。
面接では、英語をしゃべることができるというだけで、なんでもできる人と思ってしまう等。
④ ステレオタイプ
ステレオタイプは、多くの人に浸透している固定観念や思い込み、先入観のことです。
面接では、女性はみんな結婚して仕事を辞めてしまうというステレオタイプを持っているので採用しないということが起こりえます。
⑤ ブーメラン効果
ブーメラン効果は、何か人にしたことが逆効果となって返ってくることです。
面接では、起こりません。
第1回 問13
社会的認知のバイアスについて、正しいものを1つ選べ。
① 他者の内面を実際以上に理解していると誤解することを透明性の錯覚<透明性錯誤>という。
② 集団の違いと行動傾向との間に、実際にはない関係があると捉えてしまうことを疑似相関という。
③ 観察者が状況要因を十分に考慮せず、行為者の内的特性を重視する傾向を行為者 − 観察者バイアスという。
④ 自分の成功については内的要因を、自分の失敗については外的要因を重視する傾向を確証バイアスという。
⑤ 人物のある側面を望ましいと判断すると、他の側面も望ましいと判断する傾向を光背効果<ハロー効果>という。
① 他者の内面を実際以上に理解していると誤解することを透明性の錯覚<透明性錯誤>という。
間違いです。透明性錯誤は「自分の内面を他人に読まれている」という錯覚のことです。
② 集団の違いと行動傾向との間に、実際にはない関係があると捉えてしまうことを疑似相関という。
間違いです。疑似相関は実際にはない関係があると捉えてしまうことですが、「集団の違いと行動傾向の間に」ではありません。
③ 観察者が状況要因を十分に考慮せず、行為者の内的特性を重視する傾向を行為者 − 観察者バイアスという。
間違いです。行為者-観察者バイアスは、自分が行為者であった時の成功や失敗を外的要因に、自分が観察者であった時の成功や失敗を内的要因に帰属させやすいことです。
他人が試験に落ちたのは努力が足りなかったから、自分が試験に落ちたのは周囲の環境が悪かったからというように。
④ 自分の成功については内的要因を、自分の失敗については外的要因を重視する傾向を確証バイアスという。
間違いです。これは自己奉仕バイアスの説明です。確証バイアスは、自分の意見が正しいことを証明する際に自分の意見が正しい証拠ばかりに着目し、自分の意見に反することには着目しない傾向です。
⑤ 人物のある側面を望ましいと判断すると、他の側面も望ましいと判断する傾向を光背効果<ハロー効果>という。
これが正解です。
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次は、認知バイアスまとめです。
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