医療観察制度の詳細は、以下の記事を参照してください。
講義動画
こちらの動画に全てまとまっています。
過去問
第1回 問119
重大な加害行為を行った者の精神状態に関する鑑定(いわゆる精神鑑定)について、正しいものを1つ選べ。
① 裁判所が鑑定の結果とは異なる判決を下すことは違法とされている。
② 被告人が心神耗弱であると裁判所が判断した場合、罪を軽減しなければならない。
③ 被告人が心神喪失であると裁判所が判断しても、他の事情を考慮した上で必ずしも無罪にする必要はない。
④ 心神喪失者として刑を免れた対象者が、後に医療観察法に基づく鑑定を受けた場合、鑑定結果によっては先の判決が変更されることがある。
注:「医療観察法」とは、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」である。
① 裁判所が鑑定の結果とは異なる判決を下すことは違法とされている。
そんなはずはありません。
② 被告人が心神耗弱であると裁判所が判断した場合、罪を軽減しなければならない。
正しいです。
③ 被告人が心神喪失であると裁判所が判断しても、他の事情を考慮した上で必ずしも無罪にする必要はない。
間違いです。心神喪失なら無罪です。
④ 心神喪失者として刑を免れた対象者が、後に医療観察法に基づく鑑定を受けた場合、鑑定結果によっては先の判決が変更されることがある。
間違いです。そんなことはありません。
第1回(追試) 問31
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)に規定する内容として、正しいものを1つ選べ。
① 指定医療機関の指定は、法務大臣が行う。
② 精神保健観察の実施は、保護司が従事する。
③ 対象となる行為には、恐喝や脅迫が含まれる。
④ 精神保健参与員は学識経験に基づき、審判でその意見を述べなければならない。
⑤ 被害者等は、裁判所の許可により審判を傍聴できるが、意見を述べることはできない。
① 指定医療機関の指定は、法務大臣が行う。
間違いです。法務大臣ではなく厚生労働大臣です。
② 精神保健観察の実施は、保護司が従事する。
間違いです。保護司ではなく社会復帰調整官です。
③ 対象となる行為には、恐喝や脅迫が含まれる。
間違いです。殺人、強盗、傷害(致死)、強制性交、強制わいせつ、放火の6種類です。
④ 精神保健参与員は学識経験に基づき、審判でその意見を述べなければならない。
間違いです。精神保健参与員は意見を述べることができますが「述べなければならない」わけではありません。
⑤ 被害者等は、裁判所の許可により審判を傍聴できるが、意見を述べることはできない。
これが正解です。
第4回 問120
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行なった者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)について誤っているものを1つ選べ。
① 通院期間は最長5年以内である。
② 社会復帰調整官は保護観察所に置かれる。
③ 精神保健観察は社会復帰調整官が担当する。
④ 入院施設からの退院は入院施設の管理者が決定する。
⑤ 心神喪失等の状態で放火を行ったものは医療及び観察等の対象となる。
① 通院期間は最長5年以内である。
正しいです。原則3年、最長5年まで延長が可能です。
② 社会復帰調整官は保護観察所に置かれる。
正しいです。
③ 精神保健観察は社会復帰調整官が担当する。
正しいです。
④ 入院施設からの退院は入院施設の管理者が決定する。
間違いです。退院は裁判所が決定します。
⑤ 心神喪失等の状態で放火を行ったものは医療及び観察等の対象となる。
正しいです。
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次は、犯罪被害者を救済する3法律について。
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