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【統合失調症】経験的再発危険率が重要@遺伝カウンセリング

統合失調症 人体&疾患
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陽性症状&陰性症状

統合失調症の症状は、陽性症状と陰性症状に大別されます。

陽性症状は通常見られない体験のことであり、幻覚や妄想、作為体験などが挙げられます。

陰性症状は通常保持されている機能が減弱することであり、喜怒哀楽が乏しくなるなど感情の平板化などが挙げられます。

DSM-5における統合失調症の診断基準

①妄想
②幻覚
③まとまりのない発語
④まとまりのない行動
⑤陰性症状

上記のうち2つ以上が、ほとんどいつも存在する状態で、かつ、少なくとも1つは①か②か③を含むこととされています。

妄想や幻覚などのいわゆる陽性症状が特徴的な症状として位置づけられているわけですね。

妄想には統合失調症に特徴的な一次妄想と、うつ病に特徴的な二次妄想があります。

一次妄想:妄想気分、妄想着想、妄想知覚
二次妄想:心気妄想、貧困妄想、罪業妄想

統合失調症に関しては以下の記事を参照してください。

【統合失調症】陽性症状&陰性症状、薬物療法&非薬物療法
ICD-10(国際疾病分類)の分類ICD-10(国際疾病分類)によると「精神および行動の障害」はF群に分類され、統合失調症はその中のF2群に分類されます。F0 症状性を含む器質性精神障害:認知症などF1 精神作用物質使用による精神及び行動の

過去問

第4回 問104

統合失調症の特徴的な症状として最も適切なものを1つ選べ。
① 抑え難い睡眠欲求が1日に何度も起こる。
② 自分の考えが周囲に伝わって知られていると感じる。
③ 毎回同じ道順をたどるなど習慣への頑ななこだわりがある。
④ 暴力の被害にあった場面が自分の意思に反して思い出される。
⑤ 不合理であると理解しているにも関わらず、打ち消すことができない思考が反復的に浮かぶ。

① 抑え難い睡眠欲求が1日に何度も起こる。
誤りです。これはナルコレプシーの特徴です。

② 自分の考えが周囲に伝わって知られていると感じる。
正しいです。

③ 毎回同じ道順をたどるなど習慣への頑ななこだわりがある。
誤りです。これは自閉スペクトラム障害や前頭側頭型認知症などにも見られます。

④ 暴力の被害にあった場面が自分の意思に反して思い出される。
誤りです。これはPTSD等によるフラッシュバックです。

⑤ 不合理であると理解しているにも関わらず、打ち消すことができない思考が反復的に浮かぶ。
誤りです。これは強迫性障害の症状です。

第1回 問103

統合失調症の特徴的な症状として、最も適切なものを1つ選べ。
① 幻視
② 観念奔逸
③ 情動麻痺
④ 被影響妄想
⑤ 誇大的な認知

① 幻視
誤りです。統合失調症の幻覚の多くは幻聴です。

② 観念奔逸
誤りです。観念奔逸は考えが次々と浮かんで展開しまとまりがない状態で、双極性障害(躁病エピソード)の特徴的な症状です。

③ 情動麻痺
誤りです。情動麻痺とは、突発的な激しい体験に襲われたときに生じる一時的に情動が麻痺してしまう状態のことです。

④ 被影響妄想
これが正解です。被影響妄想としては、考想奪取、考想伝播などの思考的な妄想や身体的影響体験などの身体的な妄想があります。

⑤ 誇大的な認知
誤りです。誇大的な認知とは、自分は有能な人間であるなど自身の状況を実際よりも大きく思い込んでいるような状態で、双極性障害(躁病エピソード)で見られる症状です。

第1回(追試)問133

統合失調症の特徴的な症状として、適切なものを2つ選べ。
① 複数の人物が自分の悪口を言っている声が聴こえる。
② 過剰に悲観的で、自分は貧しく、破産すると信じている。
③ 自分の考えが他人に伝わり、周囲に筒抜けになっていると思う。
④ 気分が高揚し、自信に満ちて、自分が世界の中心であると確信する。
⑤ 思考の流れが速くなり、考えが次から次に浮かんできて、話題が一定せず、会話がまとまらない。

① 複数の人物が自分の悪口を言っている声が聴こえる。
正しいです。幻聴は統合失調症の特徴的な症状です。

② 過剰に悲観的で、自分は貧しく、破産すると信じている。
誤りです。これはうつ病にみられる貧困妄想です。
うつ病の3妄想(貧困妄想、罪業妄想、心気妄想)を覚えておきましょう。

③ 自分の考えが他人に伝わり、周囲に筒抜けになっていると思う。
正しいです。

④ 気分が高揚し、自信に満ちて、自分が世界の中心であると確信する。
誤りです。誇大妄想は躁病に特徴的です。

⑤ 思考の流れが速くなり、考えが次から次に浮かんできて、話題が一定せず、会話がまとまらない。
誤りです。観念奔逸は躁病に特徴的です。

第2回 問2

統合失調症のデイケア利用者Aについてのケア会議で、スタッフBが「Aさんは気難しく、人の話を聞いていないので関わりが難しい」と発言した。
Aには幻聴がある。
会議の中で、Bの発言に対する公認心理師の対応として、最も適切なものを1つ選べ。
① スタッフの交代を提案する。
② 専門職に困難はつきものであると諭す。
③ 幻聴についてどの程度の知識があるかを質問する。
④ どのような場面で関わりが困難と感じるかを質問する。
⑤ 関わりを拒否するような態度は正しくないことを指摘する。

選択肢④が正解です。

第3回 問2

統合失調症の症状が増悪したクライエントへの公認心理師の介入について、適切なものを1つ選べ。
① 症状増悪時は、心理的支援を行わない。
② 幻聴に関して、幻覚であることを自覚させる。
③ 緊張病性昏迷では、身体管理が必要となる可能性があることを家族に伝える。
④ 作為体験によるリストカットは、ためらい傷程度であれば特に緊急性はない。
⑤ 服薬を拒否するクライエントに対して、薬は無理に服薬しなくてよいと伝える。

選択肢③が正解です。

第3回 問94

遺伝カウンセリングにおいて、経験的再発危険率が最も重要な疾患として、正しいものを1つ選べ。
① 統合失調症
② ダウン症候群
③ Huntington 病
④ 家族性 Alzheimer 病
⑤ 筋緊張性ジストロフィー症

選択肢①が正解です。両親とも統合失調症の子どもは50%弱の確率で発生します。
選択肢③、④、⑤は単一遺伝子病なので経験的再発率ではなく理論的再発率が計算できます。

第1回(追試)問28

初回面接中の来談者の発言のうち、すぐに精神科へ紹介すべきものとして、最も適切なものを1つ選べ。
① 最近、動悸と不安が続きます。
② 時々、記憶がなくなることがあります。
③ ショックなことがあって体が動きません。
④ あなたたちは私の秘密を知っているでしょう。
⑤ 会社を解雇されました。皆、同じ苦しみを味わえばいい。

① 最近、動悸と不安が続きます。
誤りです。動悸や不安から推定されるのは、パニック障害や広場恐怖症です。

② 時々、記憶がなくなることがあります。
誤りです。健忘症は認知症やてんかん等の外因性の場合と、解離性障害のような心因性の場合を想定しなければなりません。

③ ショックなことがあって体が動きません。
誤りです。これは昔のヒステリーに当たります。

④ あなたたちは私の秘密を知っているでしょう。
正しいです。これは統合失調症の急性期の訴えなのですぐに精神科へ紹介しましょう。

⑤ 会社を解雇されました。皆、同じ苦しみを味わえばいい。
誤りです。

第5回 問151

22歳の男性A、無職。奇異な言動を心配した家族に連れられて精神科クリニックを受診した。同伴した家族によると、半年以上前からAは、「やっとわかりました」、「もう後戻りはできないんですね」などと独り言をつぶやきながら、にやにやと奇妙な笑顔を浮かべるようになった。Aに理由を聞いたが、まとまりのない内容で、何の話か分からなかったという。受診時、Aは主治医に対して、「このクリニックの駐車場には、赤いスポーツカーが停まっていました。あれは、お前も赤く燃えるように使命を果たせ、という私に向けられた啓示なのです」と訴えた。DSM-5の診断基準に該当するAの病態として、最も適切なものを1つ選べ。
① 双極性障害
② 統合失調症
③ 短期精神病性障害
④ 全般不安症/全般性不安障害
⑤ 統合失調型パーソナリティ障害

選択肢②が正解です。

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