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【教育評価】形成的評価の意味を押さえよ

教育評価 教育&学校
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教育に関する様々な評価方法について見ていきましょう。

特に「形成的評価」の意味をしっかり理解してください。

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縦断的評価&横断的評価

縦断的評価は同一人物を時系列で評価する方法、横断的評価はある一時点で評価する方法です。

例えばAさんの評価を、今日、半年後、1年後と実施するのは縦断的評価です。

また、Aさんの成績について国語と算数は良いが英語と理科は悪いなどと一時点で評価するのは横断的評価です。

相対評価&個人内評価

他の人と比較した評価は相対評価、個人内での評価は個人内評価といいます。

偏差値による評価は相対評価ですね。

診断的評価

診断的評価は、学年・学期・単元などの開始時期に、その時点までの習得レベルの確認や次の学習に必要とされる知識・技能を備えているかどうかの判定を行うために個人個人に対して実施されます。

学生をレベル別にクラス分けするためのテストなどですね。教師は、学習者の能力がわかりますし、学習者も自分の強み・弱みを知ることができます。

形成的評価

形成的評価は、教育活動途上における初期の目標達成状況や計画・活動の修正の必要性を把握するための評価で、学習形成過程の改善を目的としています。

指導の過程で学習の進捗状況や成果を把握し判断して、その情報をその後の指導計画に活用するために行います。

形成的評価は個人のためではなく指導計画に活用するために実施します。

総括的評価

総括的評価は、一定の教育活動が終了した後に、その効果を把握し判断するために行う評価です。

まとめ

以下の順番で実施されることを覚えておきましょう。

①診断的評価(開始前)
②形成的評価(指導途中)
③総括的評価(終了時)

ルーブリック

ルーブリックとは、学習の達成度を表を用いて測定する評価方法のことです。

ペーパーテストによる評価だけでは評価できる範囲も狭く、特に「アクティブラーニング」の評価としてはペーパーテストだけでは不十分です。

アクティブラーニングは、「ディスカッション」「体験・実演」「他者に教える」など学習者が主体となって能動的に学習することで、2012年8月28日の中央教育審議会答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~(答申)」の用語集にアクティブラーニングの説明として次のように書かれています。

「教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る」

ディスカッションワークのルーブリック表は以下のようなものです。

  レベル4 レベル3 レベル2 レベル1
傾聴力 目線を合わせながら相槌などのリアクションをする 目線が合う又は相槌などのリアクションをとる 相手と目線を合わせずリアクションもしない 他のことをしている
参加意欲 グループで5回以上発言する 3回以上発言する 1回発言する 発言しない
理解力 グループの結論と経緯を説明できている グループの結論を説明できている グループの結論の一部を説明できている グループの結論と記述内容にズレがある

過去問

第2回 問146

14歳の男子A、中学2年生。
Aは中学1年生のときに比べ、学習に対して積極的に取り組み、成績が全体的に上がった。1学期の成績評定は国語と社会が高く、数学と体育は他の教科と比べて低かった。
Aは中学1年生のときは幅広い交友関係があったが、現在は特定の友人と親しくしている。
何事に対しても真面目に取り組み、クラスメイトからも信頼されているが、自信がなく不安な様子もみられる。
Aについてのこれらの情報は、どのような評価に基づくか、最も適切なものを1つ選べ。
① 診断的評価と相対評価
② 縦断的個人内評価と相対評価
③ 診断的評価と横断的個人内評価
④ 診断的評価と縦断的個人内評価
⑤ 縦断的個人内評価と横断的個人内評価

事例では以下の評価が実施されています。
「Aは中学1年生のときに比べ成績が全体的に上がった」→縦断的個人内評価
「学期の成績評定は国語と社会が高く、数学と体育は他の教科と比べて低かった」→横断的個人内評価
診断的評価や相対評価は実施されていません。
ということで選択肢⑤が正解です。

第4回 問122

公認心理師が、小学校高学年を対象に、30分程度のいじめ予防プログラムの実践を依頼された。
プログラムを作成評価する際の留意点として、不適切なものを1つ選べ。
① 小学校の教師に対して説明責任を果たす。
② 当該小学校におけるいじめ事象を聞き取る。
③ 実践したプログラムの終了後に形成的評価を行う。
④ アクションリサーチの観点からプログラムを実施し評価する。
⑤ 参加児童に対して調査を実施しアウトカムを査定する。

選択肢③が誤りです。形成的評価は教育途上で実施されます。
プログラムの終了後に実施されるのは総括的評価です。
アクションリサーチアウトカム評価についてはこちら。

第2回 問27

形成的評価について、最も適切なものを1つ選べ。
① 一定の教育活動が終了した際に、その効果を把握し判断するために行う評価
② 個人の学力に関する特定の側面をそれ以外の側面と比較して把握し判断するために行う評価
③ 過去と現在の成績を比較して、どの程度学力が形成されたかについて把握し判断するために行う評価
④ 指導前に、学習の前提となるレディネスが形成されているかを把握し、指導計画に活用するために行う評価
⑤ 指導の過程で学習の進捗状況や成果を把握し判断して、その情報をその後の指導計画に活用するために行う評価

① 一定の教育活動が終了した際に、その効果を把握し判断するために行う評価
間違いです。形成的評価は教育活動の途上で行われます。
教育活動が終了した際に実施されるのは総括的評価です。

② 個人の学力に関する特定の側面をそれ以外の側面と比較して把握し判断するために行う評価
間違いです。 形成的評価は個人に対して行うものではありません。
個人の学力に関する特定の側面をそれ以外の側面と比較して把握し判断するために行う評価は、診断的評価になります。

③ 過去と現在の成績を比較して、どの程度学力が形成されたかについて把握し判断するために行う評価
間違いです。これは総括的評価です。

④ 指導前に、学習の前提となるレディネスが形成されているかを把握し、指導計画に活用するために行う評価
間違いです。これは診断的評価です。

⑤ 指導の過程で学習の進捗状況や成果を把握し判断して、その情報をその後の指導計画に活用するために行う評価
これが正解です。

第3回 問100

教育場面におけるパフォーマンス評価のための評価指標を示すものとして、正しいものを1つ選べ。
① ルーブリック
② ポートフォリオ
③ テスト・リテラシー
④ ドキュメンテーション
⑤ カリキュラム・マネジメント

選択肢①が正解です。

第4回 問99

教育評価について最も適切なものを1つ選べ。
① 教育評価は全国統一の基準に基づく。
② カリキュラム評価はルーブリックに基づく。
③ カリキュラム評価の対象には部活動が含まれる。
④ 教育評価の対象には潜在的カリキュラムが含まれる。
⑤ カリキュラムの評価の対象には学習者の学習・成長のプロセスが含まれる。

① 教育評価は全国統一の基準に基づく。
間違いです。学校によって異なります。

② カリキュラム評価はルーブリックに基づく。
間違いです。ルーブリックは学習者に対する評価なのでカリキュラム評価には含まれません。

③ カリキュラム評価の対象には部活動が含まれる。
間違いです。部活動は「教育課程外の活動」なので含まれません。

④ 教育評価の対象には潜在的カリキュラムが含まれる。
正しいです。児童・生徒が無意識的に学び取る内容を「潜在的カリキュラム」と呼びます。

⑤ カリキュラムの評価の対象には学習者の学習・成長のプロセスが含まれる。
間違いです。カリキュラム評価は、あくまでもその教育内容やその構造等への評価なので学習者への評価は含まれません。

次の記事

ここからは、学校心理学です。

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